川口春奈「体も心も燃やし尽くした」 山戸結希監督との初タッグで迎えた俳優としての節目

 『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の「結婚式の旅」で密着された様子が話題を呼んだ遠藤和さんのベストセラー手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、『溺れるナイフ』『ホットギミック ガールミーツボーイ』の山戸結希監督によって映画化された。主人公・遠藤和役を演じたのは、山戸監督とは初タッグとなる川口春奈。過酷な闘病を演じきった精神的な葛藤、山戸監督との熱量に満ちた対話、パートナー役・高杉真宙との信頼関係、そして俳優として“壁を破る”境地に挑んだ舞台裏までを語ってもらった。

山戸結希監督とディスカッションを重ねて挑んだ撮影

――実在された方の人生に挑むにあたり、どのような部分に惹かれて出演を決められたのでしょうか?

川口春奈(以下、川口):和さんの人生は決して平坦なものではなく、客観的に見れば過酷で壮絶なものだったと思います。でも、和さんの生き方ってずっと悲観的だったわけではなくて、そこには常に温かい“家族愛”があったんですよね。「家族っていいな」「和さんってなんて強い女性なんだろう」と、前向きな光を強く感じました。実際にこういう家族の形、愛の形、そして覚悟を持った選択があったんだということを、一人でも多くの人に届けるべきだと強く感じて挑戦を決めました。

――実名で実在の人物を演じることへのプレッシャーや責任感も大きかったのではないでしょうか。

川口:フィクションの役を演じるのとは全く違う重みと責任感がありました。ただ、和さんが遺してくださった日記や実際の映像、言葉が残されていたので、それが自分にとって心強い道しるべにもなってくれて。「どう演じるべきか」と迷ったときは、彼女の言葉や映像に立ち返りながら進むことができました。

――物語が後半へ進むにつれて時間も刻一刻と迫り、残される家族への思いなど精神的にも過酷な撮影だったと想像します。

川口:そうですね。大事な家族を残して自分だけがいなくなってしまうという、計り知れないやるせなさや切なさと向き合い続けるのは本当に辛かったです。でもだからこそ、約1カ月半の撮影をチーム全員で完走したときの達成感はすごく大きくて。みんなが「一つの役目を終えた」と感じられた現場でした。

――山戸結希監督とのタッグは今回が初めてですよね。山戸監督といえば徹底的に美学を追求される方ですが、現場で一緒にお仕事をされてどのような印象を受けましたか?

川口:1秒たりとも妥協をしない、作品に対する圧倒的な熱量と愛を持っている方でした。もしかしたら、私以上に私の演じる役や作品に向き合ってくれているんじゃないかと思わせてくれるような情熱があって。撮影に入る前から何度もディスカッションを重ねて、現場でも「どうなるか分からない表現」をいろいろな角度から一緒に探しながら作っていってくれました。

――撮影に入る前から、かなり深く話し合われていたのですね。

川口:クランクイン前に2、3回お会いして、「なぜこのタイミングでこの作品を世に届けるのか」という作品の根底にあるテーマや使命感についてお話ししました。不安な点や疑問点もすべて監督にぶつけられたので、最初から大きな信頼感を持って自分のすべてをさらけ出すことができました。

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