甲斐翔真が『風、薫る』に吹き込む新たな風 『ラジオスター』に続く“飛躍”への期待
甲斐翔真が、NHK連続テレビ小説『風、薫る』第63話で本格登場を果たす。6月23日に放送された第62話ではラスト30秒で初登場を飾り、SNSで話題をさらっている。
甲斐が演じるのは陸軍二等軍曹の小川吾郎。第63話では病院に見舞いに訪れた吾郎と直美(上坂樹里)が口論になるようだが、2人はすでに団子屋の近くですれ違っており、真風(研ナオコ)の「行き違い、すれ違い新しい風が吹いてきたみたいだねえ」という語りが“運命の相手”を予感させる。“小日向”こと寛太(藤原季節)が海軍中尉として直美を騙していた経緯があるため、なおさら視聴者、そして直美にとっても“本物”であるという印象を与えるのではないだろうか。
朝ドラ初出演となる甲斐は、2016年に特撮ドラマ『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)で俳優デビュー。パラド/仮面ライダーパラドクス役として視聴者の心を大いに躍らせた。甲斐にとってターニングポイントとなったのは、2020年に初舞台、初主演を務めた夜神月役での『デスノート THE MUSICAL』をはじめとした舞台での経験。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』や『October Sky -遠い空の向こうに-』では主演を務め、2025年4月に大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家を表彰する賞・菊田一夫演劇賞を受賞。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のクリスチャン役、ミュージカル『next to normal』のゲイブ役の演技が評価されての表彰となった。
中でもドラァグクイーンのローラ役を熱演したブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』は変幻自在な甲斐の演技力を見せつけたステージだった。2026年10月からはミュージカル『ミス・サイゴン』への出演が控えている。
ミュージカル俳優として躍進する一方で、昨年からは映像作品にも再び姿を見せ始めていた。メインキャストの一人として出演したのが、今年3月より放送していた夜ドラ『ラジオスター』(NHK総合)だ。甲斐が演じたのは海野リクト。素人だけで作るラジオ放送に懐疑的な銭湯の息子であり、かつて大阪でお笑い芸人としてネタを書いていたことをきっかけに、柊カナデ(福地桃子)がパーソナリティーを務める「ラジオスター」へと参加することとなる。
リクトが抱えていたトラウマをラジオという場で話す第12話は彼の主役回だ。普段は無愛想な、いつからか笑えなくなってしまっていたリクトが悩みを吐露することで微かな笑みを見せる感動的なシーン。甲斐から滲み出ている温かな佇まいが『ラジオスター』という作品とマッチしている印象を受けた。
甲斐がゲスト出演した4月11日放送の『土スタ』(NHK総合)にて、共演の常盤貴子が甲斐を“貴公子”と例えていたのが忘れられない。それは待ち時間も変わらぬ真摯な態度から。そんな甲斐自身の人柄を踏まえるとなおさら、今回彼が演じる小川がハマり役な予感がしてならない。「小川は軍人で一見堅苦しい風貌ですが、愛に溢れ真っ直ぐで、時にツッコみたくなるような人物」だと甲斐はコメントしており(※)、それはまるでリクトの延長線上にあるような純朴な役柄だともい言える。
直美にとって新たな風を吹かせる小川。俳優デビューから10年を迎える甲斐にとっても小川吾郎という役が新たな代表作となるとともに、追い風となるのは確かだろう。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2026/05/post-2383236.html
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK