イム・ジヨン、『素晴らしき新世界』でコメディエンヌの才能開花 振り幅のある芝居の安定感

 ダーティな役からユーモラスな役までこなす演技派の韓国女優として、近年とくに注目を集め続けているイム・ジヨン。Netflixで独占配信がスタートした主演ドラマ『素晴らしき新世界』も好調で、Netflixの週間グローバルTOP10(非英語番組部門)で初登場1位を獲得した。彼女が演じているのは、悲惨な死を遂げたはずの朝鮮時代の悪女カン・ダンシムが転生した、現代のソウルを生きる無名俳優のシン・ソリだ。甦った悪女が、財閥のろくでなしの御曹司チャ・セゲ(ホ・ナムジュン)と出会い、運命が動き出す。

※以下、『素晴らしき新世界』のネタバレを含みます

 本作は朝鮮王朝から物語が始まる。低い身分から王の側室にまで昇り詰めたカン禧嬪(ヒビン)は、権力争いに巻き込まれ、無理やり毒を飲まされて命を落としてしまう。しかし、なぜか時代劇を撮影中の無名俳優シン・ソリとして目が覚める。何がなんだかわからないまま、やがて自身はソリという女性の身体に魂が入り込んだのだと気づき、さらに時代が変わって進化していることも認識するようになる。思考は朝鮮時代の自分のままとあって、見かけは現代女性だが、王宮仕込みの時代劇口調と仕草のソリ。現代でも堂々たる振る舞いで、周囲の人たちを巻き込んでいく。

『素晴らしき新世界』(SBS公式サイトより)

 無名とはいえ“朝鮮時代の設定で過ごしている女優”として世間からも認知され、しかも王宮で培ってきたさまざまな処世術が現代でも活かされ、なんとか生き延びようと奮闘するソリの姿が愛らしい。現代で活用されているクレジットカードなどの便利なアイテムに驚きながらも、まずは食事だとばかりに何かと、肉やおやつをほおばるソリは無邪気で微笑ましいのだ。

 ソリはときどき時代劇のドラマを観ると、役者の下手さをこきおろして自身のほうがすごいと自負し、テレビ売り場の前でドラマのまねをして迫力あるセリフを繰り出し、周りにいるお客さんに拍手をもらう。本人はいたって真面目に過ごしているだけなのに時代錯誤のミスマッチ感が笑いを誘い、イム・ジヨンだからこその突き抜けた芝居で見せるコメディエンヌぶりに釘付けになってしまう。

『素晴らしき新世界』(SBS公式サイトより)

 そんなソリと朝鮮時代に出会っていた夢を見るようになったセゲは、彼女の所属事務所代表となって公私ともに支えるようになるも、朝鮮時代の王に瓜二つの顔と野心を持つセゲの兄チェ・ムンドがふたりに近づいてくるようになる。時代を超えた運命のふたりがこれからどうなっていくのか、イム・ジヨンとホ・ナムジュンの奥深い演技をしばらく楽しみにしたいところだ。

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