大野愛実、ドラマ初挑戦で得た表現への手応え 「日向坂46を知ってくださるのが最大の喜び」
日向坂46に5期生として加入し、瞬く間にセンターや専属モデル、そして俳優へと活動の幅を広げている大野愛実。ドラマ初出演にしてNHK夜ドラ『ラジオスター』のメインキャストに抜擢された彼女は、災害後の困難に直面する中学2年生の小野まな役を瑞々しく演じ切った。グループの活動と並行しながら、一人で外の世界へ飛び出し、大ベテランの俳優陣に囲まれながら過ごした濃密な時間。そこで得た表現への手応えと、常に「日向坂46のために」と走り続ける彼女の真摯な姿に迫った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
初めてのドラマ出演は「毎日が刺激の連続だった」
ーー『午後LIVE ニュースーン』(NHK総合)の生出演を終えられたばかりですが、いかがでしたか?
大野愛実(以下、大野): 本当に緊張しました……! いつもは隣に頼もしい先輩方がいてくださったり、グループ全員で歌番組に出演させていただいたりするので、1人でマイクの前に立って、作品の責任を背負って番組PRをするというのは全く別次元のプレッシャーでした。前日の夜はなかなか寝付けなくて、何度も何度も台本を読み返していました。
ーーパフォーマンスをされているときの大野さんを見ていると、緊張とは無縁なようにも見えますが……。
大野:ステージの上だと、踊ったり動いたりすることで緊張を紛らわすことができるんです。ただ今回は逃げ場がなかったというか……(笑)。緊張していることを自覚しないように頑張りました!
ーー『ラジオスター』への出演はオーディションで決まったそうですね。出演が決まったときの心境はいかがでしたか?
大野:まさか自分が選んでいただけるとは思っていなかったので、本当に驚きました。そもそもドラマのオーディションを受けること自体が人生で初めてだったのですが、受けるときも「人生の経験として記念に受けてみよう」という気持ちのほうが強かったんです。もともと新しいことに挑戦するのが好きな性格なので、審査の場も楽しめたらいいなという気持ちでオーディションに臨みました。
ーーその結果、見事に合格されたと。
大野:受かったという報告を受けたときは夢かと思いました。しかも合格の知らせを聞いたのですが、昨年の夏の全国ツアーの宮城・仙台公演が終わった直後でした。ライブが終わってひと段落着いたときに、スタッフさんに個別に呼ばれて「決まりましたよ」と。そのときは頭が真っ白になりました。
ーーメンバー皆さんの反応はどうでした?
大野:情報が解禁されるまではメンバーにも秘密にしていたので、発表されたときはみんな驚いていました。でも、すぐに「おめでとう!」という祝福の言葉をたくさんかけてくれて。普段から私のことを気にかけてくれる先輩の正源司(陽子)さんは、「まな、おめでとう!」と自分のことのように喜んでくれました。
ーーメンバーが個人の活動を支えてくれるのは心強いですね。
大野:私が登場した回の放送後に、メンバーが私のセリフを丸々覚えて真似してきたこともあって(笑)。そういう愛のある“いじり”も嬉しかったです。1人で違う現場に行くことは誇らしくもあるけれど、メンバーがいないことに対して孤独を感じることもあるので、みんなが見てくれていることがものすごく嬉しくて。ドラマの撮影はおもに大阪と能登だったのですが、東京に帰ってメンバーに会うと、実家に帰ったときのような安心感で涙が出そうになりました。
ーー大野さんが演じる小野まながフィーチャーされた回もありましたが、両親役の常盤貴子さんや風間俊介さんといった、日本を代表する俳優陣との共演はいかがでしたか?
大野:毎日が刺激の連続でした。初めてのドラマのお仕事で、常盤貴子さんと風間俊介さんの娘役を演じるなんて想像もしていませんでした。お芝居が初めての私を、お二人は“家族”として迎え入れてくださって。常盤さんも風間さんも、ご自身が10代の頃のお話をしてくださったりして、緊張をほぐしてくださいました。風間さんからは「セリフの覚え方のコツ」を伝授していただきました。
ーーそれはどんな方法だったんですか?
大野:掛け合いのシーンで、相手のセリフと自分のセリフの“間”の感覚を掴むために、台本を読んで録音するんです。でも、自分のセリフのところだけをあえて空欄にしておく。その録音を流しながら、空いた時間の秒数の中で自分のセリフを言う練習をするんです。これは本当に勉強になりました。
ーー演じられたまなは中学2年生。高校を卒業されたばかりの大野さんにとって、少し幼い役へのアプローチに苦労はありませんでしたか?
大野:私は普段、わりと冷静で大人っぽいと言われることが多いので、中2らしい無邪気さや、思春期特有のトゲのある態度を表現するのは難しかったです。でも、まな自身も「早く大人になりたい自分」と「子供のままでいたい自分」のジレンマを抱えている。自分自身の中学時代の親への態度などを思い出しながら、感情をむき出しにするシーンに挑みました。
ーーラジオブースの中での感情のぶつかり合いは、観ていて息を呑みました。
大野:ブースという狭い、逃げ場のない空間だからこそ、目の力や呼吸一つで相手に伝えるパワーが必要なんだと学びました。1人で演技は完結しない。相手の演技を受けて初めて、自分の中に新しい感情や声が生まれるんだという“相互作用”の楽しさを、この現場で教えていただきました。