戸塚純貴にしかできない“3枚目”役 『SAKAMOTO DAYS』眞霜平助で光る緩急自在の芝居
戸塚の演技について、“緩急が自在”だと先述した。その自在さは今作において、間違いなくナンバーワンのレベルにある。誰かの助けを借りることなく、戸塚はたったひとりで、“ノリツッコミ”のようなことをやってのけている。なぜならほかの登場人物たちと違い、平助は単独行動を取るキャラクターだから(正確には、相棒のピー助という鳥がいるのだが)。彼にフォーカスするシーンでは、特定の誰かを相手にすることなく、ひとりだけでおかしみのある瞬間を生み出している。
登場人物同士のかけ合いは、やがてグルーヴ感を生み、それがそのシーンの個性になり、いつしか作品全体の印象に影響を与えるものだ。ところが戸塚の場合、これを基本的にひとりでやらなければならない。彼がかけ合いをする相手は自分自身であり、客席に座る私たち一人ひとりだ。自分の演技に対して観客がどう反応し、何を感じて何を思うのか。映画は演劇と違ってナマモノではなく記録芸術。パフォーマンスをしている時点ではもちろん、観客のリアクションは分からない。けれども戸塚の演技は観客を置いてけぼりにしない。ひとりで笑いを取ろうとしながら、それは独りよがりなものにはなっていない。まだ見ぬ観客との対話が、彼にはできるのだ。
平助は凄腕のスナイパーというイケてる一面があるわけだが、おっちょこちょいなところもある3枚目。戸塚がたったひとりでシーンを背負うポジションを任せられているのは、作り手たちからの高い信頼度がある証にほかならない。戸塚純貴が3枚目を演じれば、彼の右に出る者はいない。福田組常連の戸塚は『SAKAMOTO DAYS』において、安心と信頼の存在なのである。
■公開情報
『SAKAMOTO DAYS』
全国公開中
出演:目黒蓮、高橋文哉、上戸彩、横田真悠、戸塚純貴、塩野瑛久、渡邊圭祐、北村匠海、八木勇征、生見愛瑠、小手伸也、桜井日奈子、安西慎太郎、加藤浩次、津田健次郎、志尊淳
原作:鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
脚本・監督:福田雄一
主題歌:Snow Man「BANG!!」(MENT RECORDING)
製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ
制作プロダクション: CREDEUS
配給:東宝
©︎鈴木祐斗/集英社 ©︎2026 映画「SAKAMOTO DAYS」製作委員会
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