『夫に間違いありません』で注目 新星・二井景彪が目指す、細田佳央太の人としての在り方

 また期待の若手俳優が登場した。現在放送中のドラマ『夫に間違いありません』(カンテレ・フジテレビ系)で初のレギュラー出演を果たした二井景彪だ。主人公・朝比聖子(松下奈緒)の息子・栄大(山﨑真斗)の同級生・藤木快斗として、高校生の“負”の感情を見事に体現している。

 撮影中の裏話や役作りへの葛藤、芸能界入りのきっかけや、憧れの先輩俳優、今後の目標までじっくりと語ってもらった。

役作りのヒントは「テニスの試合」

――連続ドラマにレギュラー出演されるのは、『夫に間違いありません』が初めてだそうですね。

二井景彪(以下、二井):こんなにセリフのある役をもらったのは初めてです。役が決まったときには「本当に僕でいいのかな」と思いましたし、正直、今でも不安はあります。

――冷静な役を堂々と演じられているように見えますが、内心は……。

二井:めちゃめちゃドキドキしていました。最初にお話を聞いたときには驚きというか、「決まったの!?」という感じで。台本を読んで面白そうなドラマだと思いましたし、藤木は注目される役なので、「大丈夫かな」って。自分がこの役をちゃんと全うできるのか不安でしたけど、「僕を選んでよかったな」と思ってもらえるように頑張ろうと思いました。

――不安を抱える中でも、撮影に入って「イケそうだな」と思えたタイミングはありましたか?

二井:「イケそうだな」とはなかなか思えていないのですが、すこし楽になったエピソードがあって。光聖役の中村海人さんと初めてお会いしたときに、「藤木快斗役の二井景彪です」とご挨拶したら、「お前、姉ちゃんの息子をいじめんなよ」と言われちゃって(笑)。その言葉を聞いて、急に緊張がほぐれて安心しました。近くでお芝居も見させてもらえて、本当にありがたかったです。そのあとはお話する時間がなかったんですけど、あの一言に救われました。

――ふっと緊張がほぐれたと。藤木は栄大に高校の推薦枠を取られそうになったことで、嫌がらせをするようなダークな役どころです。

二井:藤木は、栄大に対して「コイツがいなければ」という妬みや嫉妬が強いと思うんです。僕にはいじめをした経験はないけれど、テニスで「あと一回勝てば大事な大会に出られる」というタイミングで負けたときに、「対戦相手さえいなければ」と妬みの気持ちを持ってしまうことは過去にあったので、その感情を思い出しながら演じました。

――自分に置き換えて、黒い感情を呼び起こしていたんですね。監督やプロデューサーからのリクエストはありましたか?

二井:常に「栄大の上に立て」と。圧をかけて、「どんどんやっていけ」と言われていたんですけど、いやぁ~難しかったですね(苦笑)。その言葉で意識するポイントが明確になったとはいえ、普段人と接していて圧をかけることがないので、やっぱり難しかったです。でも、それもテニスに似ているかもしれないと思って、試合中に相手に圧をかける感覚で演じていました。

――「もしも自分が藤木の立場だったら、こうするのに!」という思いもありますよね?

二井:「いじめをする暇があるなら、勉強しろよ」と思っちゃいます。栄大がいなければ推薦を取れるということは、それまで頑張ってきたってことじゃないですか。それなのに、「ここでいじめるんだ」とは思いました(笑)。

――たしかに、そうですよね(笑)。特に印象に残っているシーンはありますか?

二井:カエルの水槽のシーンです。あそこは藤木がカエルを自分に置き換えての発言だったんですけど、セリフが長く、表現するのが難しくて。もちろんただセリフを言うだけじゃなくて、藤木の思いをちゃんと伝えなければいけなかったので、特に考えることが多かったです。OKが出てからもずっと頭に残っていました。今でも「あれでよかったのかな」と考えると、心がザワザワします。

――栄大役の山﨑真斗さんとは、現場でどんなお話を?

二井:ご飯を食べるときには少し話しますが、シーン中はほとんど喋っていないんです。役同士がバチバチなので、仲良くなっちゃうとお芝居もしにくいかなと思って、あまり話さないようにしています。

――後半にかけて藤木の事情がわかり、二人の仲もほぐれていきます。一緒にゲームをしたり、肉まんを食べるようなシーンもあるそうですね。

二井:実はまだその撮影はしていなくて、今からすごく楽しみです。そのシーンになったら、山﨑くんとも思いっきり話したいと思っています(笑)。

――ようやく解放されるわけですもんね(笑)。今回の撮影で、お芝居に対してあらためて感じたことはありますか?

二井:正しいことをやらなくていいんだな、と思うようになりました。最初は「こうしないと、こうしないと」という気持ちで頑張っていたんですけど、監督さんから「自分が思うように自由にやっていいから。自分がやりたいように全力でやって」と言われて。その一言で、「固くなりすぎるのもよくないんだな」「やりたいことをやっちゃえ!」と思うようになりました。

――それは、クランクイン直後の出来事ですか?

二井:中盤あたりでした。「好きにやってみて」と言われて、そこで吹っ切れました。そのあたりから少しずつ栄大との距離も縮まって、素直になれるシーンも増えてきたので、そこからはすごく楽しくなりました。

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