『ばけばけ』芋生悠が放つ“怪異”な雰囲気 現代と重なる疲弊する教育現場の描写も
2月24日放送の『ばけばけ』(NHK総合)第102話では、トキ(髙石あかり)とフミ(池脇千鶴)が、道端で怪しい女と出会う。
ヘブン(トミー・バストウ)が書いた『泥棒の話』に報酬が支払われた。80円という金額に松野家の一同は歓喜する。明治25年当時の1円は給与ベースで1万円以上と言われるので、80円はそれなりの収入だ。 “カクノヒト”宣言に続いて、ヘブンの口からは「ワタシ、カクシマス。カゾク、ササエルシマス」と頼もしい言葉も飛び出した。
勤務先が廃校になる可能性が浮上し、生計を立てる手段を探していたのが、書く仕事の算段がついたのは朗報だった。しかし、今度は執筆の時間が取れない問題が発生。松江にいたときよりも受け持ちが増えたことに加えて、同僚教師の作山(橋本淳)が倒れて、その分の仕事も回ってきた。生徒の英作文を家に持ち帰って添削する始末だ。
学校の統廃合や教師の過重労働など疲弊する教育現場の描写が、現代の日本を意識していることは否めない。ヘブンのモデルになったラフカディオ・ハーンは、日本の伝統を重んじ、生徒一人ひとりの人格を尊重していたとされるが、今の日本の教育を見たらどう思うだろうか。
原稿が書けずかんしゃくを起こすヘブンへの、松野家の人々の接し方は優しい。司之介(岡部たかし)の「わしが代わりに書こう」に「イウトオモイマシタ」で返す義理の親子漫才は、あうんの呼吸を感じさせる。「腕を上げたのう」に、実際に両手を上げる“お手上げ”ポーズで返すのもいい感じだ。家庭内のコミュニケーションは円滑だ。
司之介以外は、ヘブンの状況をまじめに心配しており、題材になりそうなものを探し歩く。トキとフミは書店に行って本を買い求める。その帰り道で出会った道端の地蔵。手を合わせると、背後から女(芋生悠)が近づいてきた。
手ぬぐいをかぶり、ざるを手にした女は地元の農家だろうか。永見(大西信満)を目にし、「車引きと祈るとかなわない」という言い伝えの存在を明かした。あわてて打ち消す永見に、「嘘つきは来世で蛇になる」と言葉を次いだ。
新キャラが登場。怪しさで言ったら、これまでのどのキャラクターよりもおどろおどろしい雰囲気をまとっている。異界にひそむ何者かが、人間の姿を借りて姿を現したようだ。思いきり引いているフミの横で、トキは「おもしろい」と興味を示した。トキは怪異に夢中になっているときの眼をしていて、これが終盤の展開につながることを期待したい。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK