『ガンダム 閃光のハサウェイ』“洋楽バズ”なぜ実現? 予想外の記録と洋楽×映画の歴史
かつての名曲によって、時代を経ても変わらない人間の性を炙り出したのは、2019年の映画『ジョーカー』の劇中歌として使用された、フランク・シナトラの1966年の楽曲「ザッツ・ライフ」が思い出される。人生とはかくも残酷で、だからこそ美しいと歌った同曲。どんな逆境や困難が立ちはだかっても笑顔を絶やさない、ジョーカーの胸の内に渦巻く苦悩と絶望が、明るく華やかなサウンドと前向きな歌詞によって際立ち、そのギャップが膨大な狂気を生み出した。楽曲と映画のマッチングという点では、ロイ・オービソンが歌った1964年の楽曲「オー・プリティ・ウーマン」が使われた『プリティ・ウーマン』も代表的だろう。また多くの人気ハリウッド映画には、その映画のアイコンやトレードマークとなるようなヒット曲が常に隣に存在している。ケニー・ロギンスが歌った『トップガン』主題歌「デンジャー・ゾーン」や、グラミー最優秀楽曲賞&アカデミー賞の歌曲賞を受賞した、『アルマゲドン』主題歌「ミス・ア・シング」(エアロ・スミス)など。そして今回の『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』では、「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」がそのアイコンと呼べる存在になったといえる。
『キルケーの魔女』の音楽の魅力はガンズだけに止まらない。グラミーアーティストのSZA(シザ)の楽曲「スヌーズ」が、オープニングテーマとして使われていることも大きな話題だ。同曲は第66回グラミー賞で3部門受賞、全米アルバム・チャートで累計13週1位を記録するなどのメガヒットを記録した、SZAの2022年のアルバム『SOS』に収録された1曲。メロウに流れるビートに乗せて歌われる歌詞と世界観が、ハサウェイやギギをめぐる恋愛模様や恋の駆け引きにおける心情と見事にマッチした。ソニーミュージック公式YouTubeチャンネルでは『キルケーの魔女』の公開にあわせて、SZA自身が監督を務めジャスティン・ビーバーら豪華キャストが出演する「スヌーズ」の日本語字幕付きミュージックビデオも公開されている。さらにSZAは『キルケーの魔女』公開の翌日、2月1日に開催された第68回グラミー賞にてケンドリック・ラマー with SZAとしての楽曲「ルーサー」で最優秀レコード賞を獲得した。
SZAのグラミー受賞というトピックと、「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」のバズによって、これまでガンダムやアニメ映画に興味を持っていなかった層、海外のファンにもアピールすることが叶った『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』。村瀬修功監督がガンズ世代で日頃から熱心に洋楽をチェックしていることは推し量ることができるが、ここまでの盛り上がりまでも想定しての起用だったとすれば相当の策士だ。
参照
※ https://www.universal-music.co.jp/guns-n-roses/news/2026-02-04/
■公開情報
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』
全国公開中
キャスト:小野賢章(ハサウェイ・ノア役)、上田麗奈(ギギ・アンダルシア役)、諏訪部順一(ケネス・スレッグ役)、斉藤壮馬(レーン・エイム役)
原作:富野由悠季、矢立肇
監督:村瀬修功
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:pablo uchida、恩田尚之、工原しげき
キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦
メカニカルデザイン原案:森木靖泰、藤田一己
美術設定:岡田有章
美術監督:大久保錦一
色彩設計:すずきたかこ、久保木裕一
ディスプレイデザイン:佐山善則
CGディレクター:増尾隆幸
撮影監督:大山佳久
特技監督:上遠野学
編集:今井大介
音響演出:笠松広司
録音演出:木村絵理子
音楽:澤野弘之
企画・制作:サンライズ
製作:バンダイナムコフィルムワークス
配給:バンダイナムコフィルムワークス/松竹
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