ハ・ヨンス、『虎に翼』からの鮮烈な変化 『DREAM STAGE』で見せた役者としての新境地
『DREAM STAGE』でヨンスが演じているナム・ハヨンは、アイドル事務所「ナム・エンタテイメント」の社長で、元天才音楽プロデューサー吾妻潤(中村倫也)の元恋人。ボーイズグループ「NAZE」をデビューさせるべく、吾妻にプロデュースを依頼することになる。
ナムは登場シーンからして衝撃的だ。ライバル視するアイドルグループ「TORINNER」とそのファンに向けて鋭い眼光を向け、おまけに「チッ」と舌打ち。応援ボードを膝蹴りして投げ捨てるという暴挙にまで出る。オレンジの鮮やかなスカーフにサングラス、トレードマークの豹柄のジャケットというド派手なファッションも特徴的だ。
『DREAM STAGE』は「K-POP版“スポ根”ドラマ」と題し、華やかでありながらひたむきで泥臭いK-POPシーンを描いている。主人公の吾妻をはじめ、NAZEのマネージャー・遠藤水星(池田エライザ)など、ひねくれていたり、不器用だったりと、どこか暗い雰囲気を醸し出す人物が多いなか、事務所の、ひいては『DREAM STAGE』全体を明るくしているのが、ナムという人物のポジションだ。
ナムは笑っているか、怒っているかのどちらか、というほどに前向きかつサバサバとした性格の持ち主。カフェで「ゆるさなーい!」と大声で叫んだかと思えば、「ワンワン」と吾妻に愛らしく手招きをしたり、「まだ飲むぞ〜! イェーイ!」と笑顔で乾杯をしたり。元恋人ということもあり吾妻とはゼロ距離まで顔を近づける。『虎に翼』のヒャンちゃんのイメージオンリーの視聴者にとってはクラクラするようなあざとさも兼ね備えたキャラだ。
ただ、愛情深く、自分の価値観や信念を強く持っている部分は、香淑、そしてハ・ヨンス自身にも通ずる要素のように感じる。デビューという夢を掴むことができるのは10万人に1人。それでも吾妻とNAZEメンバーたちは夢の果てにある舞台・国立競技場を目指すことを誓った。目を輝かせNAZEを見つめる吾妻の姿に、ナムは「見ててって言ったでしょ。ああいうやつなの」とマネージャーの遠藤に話す。それはNAZEのメンバーを、吾妻を信じているからこそ言えるセリフだ。NAZEのメンバー・ゴンが幼い頃に生き別れた母(斉藤由貴)をナムがライブに誘うシーンがあるが、そこではフォーマルな服装を着用しており、事務所のCEOとしての誠実な態度もしっかりと打ち出されている。
『虎に翼』以来、およそ1年ぶりの連ドラ出演となったハ・ヨンス。以前、筆者が彼女にインタビューした際、「日本語で演技をするのが自分にとっては永遠の勉強」と話しているのを『DREAM STAGE』を観ていて思い出した(※)。第1話時点では『虎に翼』よりもセリフ量も多く、展開も早いナムという役は、香淑とはまた違った魅力と、演じる上での難しさがあるように感じる。ヨンスのように、日本に拠点を移して活動している俳優は、あまり例のない数少ない存在だ。『DREAM STAGE』という新たな運命的な役を弾みに、日本と韓国を繋ぐ俳優として彼女の夢への挑戦は続いていく。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2024/04/post-1635624.html
■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス、カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク、岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)、森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
音楽:福廣秀一朗、Akiyoshi Yasuda
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
企画プロデュース:高橋正尚
プロデューサー:八木亜未(大映テレビ)
プロジェクトディレクター:中川麻衣
プロジェクト企画:GY,CHOI(CJ ENM JAPAN)
コレオグラファー:【NAZE】NOSUKE(Team"S"pecial)、【TORINNER】Ken
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs