『未来のムスコ』と『くる恋』に共通点? TBS火曜ドラマが更新する“私らしさ”
大人になってからというもの、自分らしさという言葉に悩まされることが増えた気がする。
学生時代は規律に従っていれば、自分らしさなど考えなくてもよかった。それが「夢を描いていい」と言われた途端、現実との間で揺れ動くこととなり、大袈裟にいえば自分の生きる意味を考えることが増えた日々。
2026年1月期のドラマ『未来のムスコ』に登場する主人公・汐川未来(志田未来)を観ていると、そういうことを思い出してしまった。
未来というキャラクターは、俳優という夢を追い続け、隙間バイトで生計を立てる定職なし、貯金なし、彼氏なしといった役どころ。第1話で観る彼女は俳優としての夢を諦められない一方で、自分の俳優としての能力の頭打ちを薄々と感じているようにも捉えられた。そんな時に登場したのが未来のことを「ママ」と呼ぶ、小さな男の子・汐川颯太(天野優)である。颯太は「2036年の未来から来た」と自称し、未来と自分のパパである“まーくん”を仲直りさせようと目論む少年だ。
ここから未来と颯太は、2人で“まーくん”を探していく。その中で始まる時を越えたラブストーリーとしてドラマの公式には紹介されているのだが、おそらく恋愛と共に“自分らしさ”とは何か、“幸せ”とは何かを考えさせるような物語になっていくのではないかと第1話を観て感じた。
というのも、第1話では未来というキャラクターの性格、そしてコロコロと変わる表情を丁寧にフォーカス。みんなの前では笑顔だけど、実は心のうちで思うこともあり、理想と現実の狭間に揺れる姿、そして自分らしい選択、自分にとっての幸せを模索している姿が印象的だった。同じように夢を志してきた劇団の仲間も現実を見始めたり、あるいは大成したりして、夢を追うだけじゃあまりにも心許ない日々。そんな私にとっての「私らしさ」「幸せ」を考えながら、物語は進んでいくのだろう。
そして、もう1つ、このドラマを観て思い出したのが同じ火曜ドラマの枠で放送されていた『くるり〜誰が私と恋をした?〜』(TBS系)である。
『くる恋』生見愛瑠の“軌跡”が凝縮されていた「好き」 大きな愛に包まれた最終回に
まこと(生見愛瑠)の記憶のトリガーとなった、沈丁花の花言葉には「永遠」といった意味があるそうだ。火曜ドラマ『くるり~誰が私と恋を…『くるり』は、記憶を失った緒方まこと(生見愛瑠)が、カバンの中に入っていた男性用の指輪がぴったりとはまる男性3人とのやりとりを通して、恋の相手を探していくという物語。しかし、その物語の側では、プライベートでも会社でも人に嫌われないよう、自分自身の素を見せず、悪目立ちしないように生きてきたという記憶を失う前のまことが、記憶を失い“私歴1年”となったことで、本当の自分らしさを探していくという物語も並行して展開していった。
きっと未来は、これから展開していく物語の中で、自分の幸せ、これから進んでいく道とも向き合っていくに違いない。そういう意味では、近年蔓延する“私らしさ”を視聴者に考えさせるドラマになるのではないだろうかということも期待してしまう。
もちろん颯太が言う“まーくん”の正体も気になるが、30代を前に自分の夢と現実のギャップに未来がどう折り合いをつけていくのか、第2話以降も見逃せなさそうだ。
恋も仕事も夢も中途半端だった主人公がある日突然母となり、子育てを通して、誰かと生きること、支え合うことの意味を知り、自分らしく生き直していく姿を描く。
■放送情報
火曜ドラマ『未来のムスコ』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:志田未来、塩野瑛久、小瀧望、兵頭功海、天野優、吉村界人、箭内夢菜、萩原護、ビビる大木、藤原さくら、板倉武志、難波なう、西野七瀬、マキタスポーツ、神野三鈴、水瀬いのり(声の出演)、淵上泰史
原作:阿相クミコ・黒麦はぢめ『未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!』(集英社『ヤンジャン+』連載)
脚本:ニシオカ・ト・ニール、いとう菜のは
プロデューサー:天宮沙恵子、松本明子
演出:井村太一、古林淳太郎、泉正英
主題歌:秦基博「ポケットに魔法を入れて」(UNIVERSAL MUSIC/AUGUSTA RECORDS)挿入歌:Hi-Fi Un!corn「SUPER DUPER」(Sony Music Labels)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mirainomusuko_tbs/
公式X(旧Twitter):@mirai_musukotbs
公式Instagram:mirai_musuko_tbs
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