『豊臣兄弟!』仲野太賀×池松壮亮が“持ち味”を最大限に発揮 松下洸平も愛されキャラの予感
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演・仲野太賀は、「1話、2話で『豊臣兄弟!』としての挨拶が終わる」とインタビューのなかで話していた(1月10日放送の『50ボイス/豊臣兄弟!~兄弟の絆を感じるとき』より)。
小一郎(仲野太賀)が兄の藤吉郎(池松壮亮)と幼なじみの直(白石聖)とともに故郷の尾張中村を旅立ち、清須へと向かう第2回のラストは、仲野が話す“挨拶”を象徴するシーンだ。侍になることを誓いあった藤吉郎と想いを寄せ合う直という小一郎にとってかけがえのない存在。それは新たな物語の幕開けでもあった。
第3回「決戦前夜」では、 織田信長(小栗旬)、豊臣秀吉(池松壮亮)に続くもう一人の“戦国三英傑”が初登場する。それが、松平元康(松下洸平)、後の徳川家康だ。時は、信長軍と今川義元(大鶴義丹)軍が激突する「桶狭間の戦い」。今川配下の元康は義元の命により、大高城への兵糧入れに成功。しかし、手応えのなさに元康は訝しげな表情を浮かべていた。幼い頃に織田家の人質となった過去を持つ元康。
演じる松下洸平は、“家康像”について「人を信用していない感じがあるので、人の目を見ずに話すようにしています。腹心の石川数正とすら距離がある。そのかみ合わなさも、おもしろく見ていただけるかもしれません」と語っている(『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』より)。松本潤が演じた『どうする家康』(2023年)の家康と比べられるのは止むを得ず、元康が身につけていた全身が金箔で覆われた甲冑「金陀美具足」も、『どうする家康』の序盤を象徴するアイテムである。
松下洸平の佇まいに滲んでいた“思い続けてきた”時間 『光る君へ』周明の衝撃的な幕切れ
『光る君へ』(NHK総合)第46回「刀伊の入寇」。まひろ(吉高由里子)は亡き夫が働いていた大宰府に到着した。そこでは、かつて越前…松下は『光る君へ』(2024年)以来の大河ドラマ出演となる。松下が演じた周明は、まひろ(吉高由里子)とのラブストーリーが展開される、短い出演ながらも非常に印象的な役柄だった。今回の元康が信長や秀吉に並ぶ、メインキャラクターであることは言うまでもなく、大河という場所で松下にとっての新たな代表作として愛される人物になっていくのだろう。
第3回で息を呑んだのが、信長が小一郎と藤吉郎を相手に激昂する場面だ。2万5千もの今川の軍勢を前に、籠城をしたままの信長。父・弥右衛門(小林顕作)の敵・城戸小左衛門(加治将樹)を討ち取るため、藤吉郎はなんとしてでも戦場に出る必要があった。「出陣はされないのですか?」と進言をした藤吉郎に信長は怒り心頭。今川軍との和睦を勧める小一郎の首を絞めつけては殴り抜ける。信長にとっては和睦は敗北と同義。降伏したも同然。「たとえ負けると分かっていても、命をかけて戦わねばならぬことがある。それが侍じゃ!志のない者はいらぬ。失せよ」と信長は言葉を投げ捨てた。
しかし、結果的に小一郎と藤吉郎はそれぞれ信長からの評価を上げているように思える。草履を盗もうとしたらそれが信長の物だったという、思わずクスッと笑ってしまう展開に、小一郎は間もなく雨が降るため濡れてはいけないと思い預かっていたという起点の効いた嘘をつく。とんびがいつもより低いところを飛んでいることからの、長年の百姓としての勘だ。信長は微塵も信じてはいなかったが、火縄銃の射撃練習をしている際に、本当に雨が降り出したのだ。信長は天を見上げ「見事に当ておった」とつぶやき、微かに笑う。
そこに一緒にいたのは藤吉郎。甲冑に向けて射撃をする信長に、「殿。この猿めを狙ってください」ともう一丁の銃を渡す。「ウキー!」と甲冑の周りを動き回る藤吉郎を前に、信長は本当に発砲。弾は見事甲冑に当たるが、藤吉郎はその場に倒れ込む。心配をした信長が藤吉郎に駆け寄ると、藤吉郎は「これぞ、猿芝居でございます」とニコッと笑みを浮かべるのだ。怒ってばかりだった信長に、笑顔が戻った。第1回で家族の元に戻ってきた藤吉郎が猿のように木に登り縦横無尽に動き回るシーンが池松壮亮のアドリブだったと、ともを演じる宮澤エマから様々な番組で明らかになっているが、この猿芝居のシーンもそんな生き生きとした池松の芝居が楽しめる場面である。余談だが、信長に土下座をする藤吉郎の額にちょうどよく藁がくっつく様が、情けなさを演出しており、その“持っている”感じも見事だ。
第4回「桶狭間!」では、織田軍と今川軍とが激突する桶狭間の戦いが本格的に幕を開ける。徳川視点の『どうする家康』と、豊臣視点の『豊臣兄弟!』。その違いを楽しみながら、ここから『豊臣兄弟!』がもう一度スタートする。
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
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