山下美月が明かす乃木坂46卒業後の“悔しさ” 「自分のキャパをもっと広げなきゃいけない」

「恵まれた環境にいるからこそ、ちゃんとそこに応えたい」

ーー乃木坂46を卒業されてから1年ちょっと経ちましたが、この1年の間の仕事ぶりも凄まじいですよね。

山下:ありがとうございます。現役時代より忙しかったです(笑)。特に昨年は本当に忙しくて。

ーー感覚的にはあっという間ですか?

山下:あっという間に過ぎ去ってしまって、ちょっと悔しいというか。この1年、本当にいろんな仕事をさせていただいたのですが、自分の中で「もっとできたのに」という悔しさが結構出てきました。

ーー “悔しい”というのは具体的にどういうことでしょう?

山下:1人になったからには、今まで以上に責任感を持ってちゃんとお芝居をしなきゃと思っていたはずなのに、振り返ったときに自分の中であまり達成感がなくて。例えば、グループ在籍時に『舞い上がれ!』で朝ドラに初めて出させていただいたときは、終わってから1年乗り切ったことへの達成感がありましたし、朝ドラが終わってからも連続ドラマに続けて出演させていただいて、いろんな人に巡り会えたことへの充実感があったりしたんです。でも、この1年はそういう感情が芽生えなくて。

ーーそうだったんですね。

山下:一昨年までの自分のお芝居と比べて、自分の中ではあまり変化がなかったなと感じたんですよね。でもだからこそ、ここからの1年、自分はもっと伸びなきゃな、成長しなきゃなと思えましたし、すごく勉強になりました。大変だったし、辛かったけど、ここからがまた楽しみだと思える、“バネの年”になったと思います。

ーー作品を観ている側としては全くそんなふうには感じませんでした。

山下:本当にありがたいことに、「卒業してからも順調だね」と言ってくださる方が多くて。もちろん前には進めていると思うのですが、アイドル時代よりもお芝居のお仕事に集中している分、もっと伸ばせたんじゃないかなって。自分のキャパをもっと広げなきゃいけないなと思いました。

ーーそういう反省が確実に進歩に繋がると思います。

山下:恵まれた環境にいるからこそ、ちゃんとそこに応えたい自分がいます。自分が思っている以上に、いろんな人の期待や思いを背負ってここまできたので、そこに還元しなきゃという気持ちが大きいです。

ーー今の乃木坂46の後輩たちの指針にもなりますよね。

山下:現役のときは、「お芝居をやりたい」とか「こういう作品に出たい」と思えば、卒業しなくてもアイドルをやりながらでもできるという例を、ひとつの道として後輩に提示したいという気持ちがあったんです。それができた上で卒業できたのはすごくよかったなと思っていて。だからこそ、今こうやっていろいろな作品と向き合う中で、その役が“自分じゃなきゃできない理由”を見つけなきゃな、と思っています。

ーーそんな山下さんが今やりたい役、出たい作品はありますか?

山下:すごくぶっ飛んだ役をやりたいですね。例えば殺人鬼だったり、最後にものすごい裏切りをするような役(笑)。私は過去に闇を抱えた役や、複雑な役をやらせていただくことが多いので、そこを突き詰めて、“最後まで悪役”みたいな役をやってみたいです。

■公開情報
『火喰鳥を、喰う』
全国公開中
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未、宮舘涼太(Snow Man)
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:原浩『火喰鳥を、喰う』(角川ホラー文庫刊)
配給:KADOKAWA、ギャガ
企画・制作:フラミンゴ
制作協力:アークエンタテインメント
配給: KADOKAWA、ギャガ
©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

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