今田美桜、最後の“ほいたらね”に涙 『あんぱん』完結に北村匠海、両親からメッセージ
9月26日にNHK連続テレビ小説『あんぱん』が最終回を迎えた。
やなせたかしと小松暢夫婦をモデルに、柳井嵩(北村匠海)とのぶ(今田美桜)の激動の人生を、半年間かけて描いた本作の終了を惜しむ声が多発している。SNSでは「朝ドラはやっぱり最高」「今週は毎日泣いていた」といった声で溢れた。
同日に放送された『あさイチ』(NHK総合)には、のぶ役の今田が出演。朝ドラヒロインが最終回当日の『あさイチ』に出演するのは初めてだという。
番組冒頭から多数のイラストが寄せられ、今田は『あんぱん』での経験を「一生の財産」だと振り返った。
長らく共演した、嵩役の北村からはビデオメッセージが到着。北村は今田の演技について「(今田は)脚本にはない涙を流すことが多くて、それにつられて自分も泣いてしまった」と、役への入れ込みを振り返る。特に心に残ったシーンとして、作中でアンパンマンのデザインが完成した瞬間を挙げており、今や国民的キャラクターとなったアンパンマンが生まれるまでの膨大な試行錯誤とやなせの功績が改めて感じられた。
今田は北村に「心から感謝」していると述べる。北村は撮影中、楽屋に滞在せず常に前室にいたというように、常に周囲の人物に気を配っていたようだ。今田によれば北村は「とても視野が広く」、「困ったときにはすっと手を差し伸べてくれる」存在だったという。2人は作中で10代から70代に至るまで、ほとんど人生のすべてをともにした関係として共演しており、その絆が舞台裏でも顕在だったことを思わせてくれた。
今田と北村は過去にも多数共演しているほか、『あんぱん』キャスト発表以前にも不思議な関係を象徴するエピソードがあった。発表のおよそ1週間前、今田がパリから帰国する空港で偶然北村と出会い驚いたというエピソードが明かされた。当時はお互いに共演者を把握していない状態だったというが、この時点ですでに運命的なものを感じさせる。
続いて今田は特に思い入れのあるシーンとして、嵩のプレゼントバッグを突き返してしまった場面を挙げた。作中では第二次世界大戦真っ只中の時期で、嵩はのぶのために赤い高級バッグをプレゼントしようとしたのだが、「軍国主義」を優先したのぶはそのプレゼントを受け取らなかった。『あんぱん』の戦争描写を象徴するシーンだろう。当時、撮影外で今田は大泣きしていたという。
脚本の中園ミホも「(今田には)つらい思いをさせてしまった」と撮影を振り返る。あわせて、一時的にとはいえ、軍国主義に染まるヒロインという朝ドラとしては例外的な役回りを演じきった今田に敬意を表した。
のぶの最初の夫・若松次郎を演じた中島歩からは、初共演時を振り返るビデオメッセージが到着。初めての共演から抜群の相性を感じたと語る中島は、当時の撮影後は「ルンルン」で帰宅したという。なお、こうした「独特」なワードセンスと会話のテンポについては司会の博多華丸・大吉から大いにツッコまれていた。のぶと嵩がついに結ばれたシーンの撮影にもなぜか現場に遊びに来ていた中島だが、やはり博多華丸・大吉が「一番ダメでしょ」と中島のキャラ(と次郎とのギャップ)を笑いに変えていた。
また、今田の両親からはサプライズのビデオメッセージが届き、今田が俳優を志したきっかけについて語られた。初めてのオーディションでは福岡から上京。このときは落選してしまったというが、父親曰く今田は当時の手応えについて「やれるんじゃないか」と大物らしいコメントを残したという。今田は当時のことを覚えていなかったようだが、「説得するためにそう言ったんじゃないですかね」と振り返る。また、今田が初めてオーディションを受けた朝ドラは『まれ』(2015年度前期)のことで実に10年前となるが、その時期から考えると『あんぱん』の完結は今田のキャリアとしても感慨深い。
番組終盤には視聴者からのメッセージが届いた。『あんぱん』に関わる多くの思い出が語られるなか、とあるセリフのリクエストに今田が笑顔で応える。
「ほいたらね」と告げ、『あさイチ』と『あんぱん』を締め括った。
■配信情報
『あさイチ プレミアムトーク 今田美桜』
NHKプラスにて、10月3日(金)9:53まで配信中
ゲスト:北村匠海
キャスター:博多華丸
VTRインタビューゲスト:北村匠海、中園ミホ、中島歩、今田美桜ご両親
司会:博多大吉、鈴木奈穂子
写真提供=NHK