奥平大兼、感情移入しやすくなる“自然体な演技”の秘訣 「作品の没入感に繋がれば」
日曜劇場『御上先生』(TBS系)や映画『か「」く「」し「」ご「」と「』など話題作への出演が続く奥平大兼。太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」を巡る史実をもとに、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を生き抜いた人々の姿を描いた『雪風 YUKIKAZE』では、若き水雷員・井上壮太役に挑んでいる。新たな挑戦となった撮影の舞台裏や、『MOTHER マザー』での鮮烈なデビューから5年の変化などについて語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「大事なシーンが近づくと、早くやりたい気持ちが大きくなる」
ーー戦争を扱った『雪風 YUKIKAZE』は、奥平さんがこれまであまり挑んでこなかったタイプの作品ですよね。
奥平大兼(以下、奥平):戦争映画というのは初めてだったので、やはり責任の重さを感じました。生半可な気持ちではできないので、真摯に向き合おうという思いで臨みました。撮影当時はまだデビューして4年目で経験も浅く、自分に務まるのかという不安もありましたが、それでもせっかく出会えた作品なので、自分にできることを全力でやろうと。
ーー演じた井上壮太は、物語全体のモノローグも担う重要な役どころでした。
奥平:ありがたいことに、そういう立ち位置を任せていただけたのは光栄でした。井上は若く、「雪風」の乗組員ではなかったところから始まるキャラクターで、現場の出来事を目に焼き付けながら吸収していくような立場です。僕自身も撮影中は大先輩たちの胸を借りているような感覚だったので、役と自分自身が重なる部分は多かったですね。
ーー早瀬幸平役の玉木宏さんから影響を受けた部分はありましたか?
奥平:井上という役は言葉少なで、じっと場面を見つめることが多いんですけど、先任伍長(早瀬幸平)がいるときは特にその視線が“観察する目”になっていた気がします。玉木さんの存在が井上にとって特別だったからこそ、自然と客観的に見て、自分の中で咀嚼するような芝居になっていました。
ーー竹野内豊さんをはじめ大先輩が集結した撮影現場だったと思いますが、緊張はしませんでしたか?
奥平:もともとそこまで緊張しない性格かもしれないです(笑)。むしろ大事なシーンが近づくと、早くやりたい気持ちが大きくなるタイプで。皆さん本当にフラットに接してくださるので、現場もすごく居心地が良かったです。怖い人とかがいたらわからないですけど、今のところは出会っていないので(笑)。
ーー奥平さんの自然な芝居はデビュー作『MOTHER マザー』の頃から際立っていました。当時と今で、ご自身の中で変わったことは?
奥平:あの頃は何も考えずにやってたので、今思うとすごく自由でした。今は撮られていることを意識したり、カメラに映っているかどうかなど考えるようになった分、変に制限をかけてしまうこともあります。でも根本的な部分はそんなに変わっていない気もします。