『御上先生』から『こんばんは、朝山家です。』へ 影山優佳、初の教師役で得た気づき

 中村アンと小澤征悦がW主演を務める『こんばんは、朝山家です。』は、夫・賢太(小澤征悦)、妻・朝子(中村アン)、高校1年の長女・蝶子(渡邉心結)、小学6年の息子・晴太(嶋田鉄太)の朝山家の日常を描いたホームドラマだ。いつも喧嘩や言い争いが絶えない朝山家のパートと対照的なのが、晴太が通う小学校のパート。学校を欠席しがちで同級生とも良好な関係を築けない晴太を、適切な声かけで優しく見守る晴太の担任・木本美樹を演じている影山優佳の存在が大きい。帰国子女の生徒役で存在感を放った1月期のTBS日曜劇場『御上先生』から一転、先生役に初挑戦した心境を影山に聞いた。

自然と「私って先生なんだ」という感覚に

ーー初の教師役になりますが、決まったときは嬉しさとプレッシャー、どちらのほうが大きかったですか?

影山優佳(以下、影山):ワクワクのほうが強かったです。今まで自分が経験していない役を作っていく作業がすごく好きなので。教壇に立つとはどういうことか、その感覚を掴むのが楽しみでした。

ーー実際の撮影はいかがでしたか?

影山:実際に教壇に立って授業をしたり、給食の時間に生徒役のみんなと話したりしているうちに、自然と「私って先生なんだ」という感覚になっていきました。生徒役のみんなが自然に「先生」と呼んでくれる環境だったので、自分にとってもすごく新しい経験で、楽しかったです。

ーー授業のシーンも印象的ですよね。

影山:数学を教えるシーンで、生徒役の子から「本当にわからない」という反応が返ってきたりして。みんな年齢が違うので、理解度にも差があるんですよね。そういうリアルな会話が現場でも生まれていたので、「私のせいで撮影を押したらいけない!」と思っていました(笑)。

ーー教師という職業を演じるにあたって、事前に何か準備されたことは?

影山:劇中では専門用語も出てくるので、言葉だけでなく背景を理解するために勉強はしました。保護者との関わりや先生同士の連携って、普段は見えないところなので。あと参考として、『女王の教室』(日本テレビ系)や『ドラゴン桜』(TBS系)といった学園ドラマも観ました。

ーーいつも慌ただしい朝山家のシーンとは対照的に、影山さん演じる木本先生と晴太の学校のシーンは優しい空気が漂っていますよね。

影山:今まで演じてきた役にはなかったような、生徒を守ったり導いたりしていかないといけないという使命感や責任感、先生としての母性や優しさでみんなを包むような表現ができたらいいなという目標を持ってお芝居をしていました。実際にできているかどうかは不安ですが……。家族のドラマの中のひとつの要素として、彩りを添えられていたら嬉しいです。

ーー演じるにあたって、学生時代の先生を思い出したりも?

影山:むしろ、自分がどれだけ先生に迷惑をかけてきたかを実感しました。私が演じる木本先生のクラスには、晴太くんのように個別のフォローが必要な生徒がいますが、同時に「全員と同じように接する」という理想もあって。その矛盾をどう両立させるかはすごく考えさせられました。自分が生徒だった頃もそういう状況が必ずあったと思うんですけど、当時はそんなことをまったく感じたことがなくて。生徒の見えないところで、先生たちは保護者の方たちとコミュニケーションを取ったり、教室外で行われている努力や取り組みの多さに初めて気づいたんですよね。なので、自分が生徒だったときはそういうことに気付けず、本当に申し訳ないことをしたなと(笑)。

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