『明日はもっと、いい日になる』風間俊介×三浦綺羅の名演が光る 心に残る柳葉敏郎の台詞

「児相は子どもたちの身を守ることも大事だけど、一番はどこにあるかも分からない心を守ってあげることなんじゃないかな」

 『明日はもっと、いい日になる』(フジテレビ系)第5話は、とりわけジョーさんこと南野(柳葉敏郎)の台詞が心に残った。

 「児相」は「保護者」にも置き換えることができる。保護者の最も大事な務めは子どもの心を守ること。でも、子どもの心は柔らかく傷つきやすい。もし一生消えぬ傷痕を残してしまったらと思ったら、大人も怖くて簡単には触れられないのだろう。

 神社で放火をし、浜瀬市児童相談所で保護されることになった13歳の少年・蓮(正垣湊都)。1年前に母親を癌で亡くしており、その悲しみのぶつけどころが分からずにいた。本来ならば、それを受け止めるべきはずの父親・吾郎(平山祐介)は単身赴任。娘が病気で苦しんでいる時も仕事を優先した吾郎を祖父の茂(螢雪次朗)は憎み、蓮は自分一人で育てると意固地になっている。

 そんなこじれた家族関係を他人事とは思えないのが、蜂村(風間俊平)だ。翼(福原遥)が所属するチームのリーダーで、自身も児童福祉司として多くの案件を抱えている。1人の児童福祉司が同時に担当する案件は全国平均で40~50件。地域によっては、100件もの案件を抱えている人もいると言われている。蜂村も多忙につき家族のイベントに参加できず、息子の功太(三浦綺羅)が急病の時も仕事を優先したことで、妻の沙織(笛木優子)に離婚を言い渡されてしまった。児童福祉司は一刻を争う仕事だ。自分の子どもを優先した結果、別の子どもの命が失われてしまうかもしれないというジレンマは多くの児童福祉司が抱えているものなのだろう。

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