髙橋海人の“憑依”っぷりから目が離せない 『DOPE』での瑞々しさと無力感のコントラスト

『DOPE』で体現する、新人の“瑞々しい正義感”

 『DOPE』では、新人麻薬取締官として、瑞々しい魅力を発揮している。才木は、真面目で真っ直ぐな正義感を持ち、「DOPE服用者にも更生の機会が与えられるべきだ」と考える。しかし、ベテラン麻薬取締官である陣内(中村倫也)は、DOPE服用者を「排除すべき対象」と見なし、冷徹に任務を遂行する。この「相性最悪のバディ」が生み出す化学反応が『DOPE』の大きな見どころだ。

 才木の正義感は、事件現場で感情を露わにする姿や、陣内に対して「なぜ撃ったんですか」と真っ向から問いかける場面で強く表れている。未来予知能力を持ちながらも未来を変えられなかったことへの無力感や、それでも人の命を救おうとする純粋な思いが、髙橋の瞳の演技から伝わってくるようだった。

  一方で、スーツを颯爽と着こなす姿は本来アイドルとしてのオーラがあるはずなのに、どこか自信がなく、視線が定まらない新人の危うさを違和感なく演じている。1作ごとに役柄への理解を深め、表現の幅を広げてきた髙橋。陣内との対立と共闘を通じて、才木の正義感がどのように変化していくのか。中村が髙橋を「手ごねハンバーグのように丁寧に育てている」と語るように(※)、才木と陣内の関係性の中で、髙橋の俳優としての進化を期待したい。

参照
※ https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/about/

金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』

木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作を実写化した麻取アクション・エンターテインメント。謎に包まれた新型ドラッグ“DOPE”が蔓延している近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく。

■放送情報
金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、忍成修吾、入山法子、佐野和真、蒼戸虹子、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一
演出:鈴木浩介ほか
プロデュース:長谷川晴彦、佐藤敦司
音楽:内澤祟仁
主題歌:Uru「Never ends」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
挿入歌:King & Prince「I Know」(UNIVERSAL MUSIC)
編成 :杉田彩佳、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
公式X(旧Twitter):@dope_tbs
公式Instagram:@dope_tbs

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