木村文乃「芝居の中に“人間らしさ”が感じられると、距離が縮まる」

――撮影が進む中で、お互いの印象に変化はありましたか？　共演してみて、発見したことがあれば教えてください。

木村：お会いする前は、「ダンススキルのすごい方」という印象が強くて、キラキラした才能の塊のような方だと思っていました。ですが、実際に一緒に長いシーンを撮影してみたら、すごく誠実で、役に対する愛情や努力の積み重ねが本当にしっかりしていて。その丁寧さに、ものすごく感動しました。アドリブの瞬間にも、役として心を動かそうとしてくれているのが伝わってきて、それが楽しくて。共演してすぐに、信頼できる方だなと感じました。

ラウール：ありがとうございます（笑）。そのシーン、10分間くらいずっと喋り続ける授業のような場面で、台本は半分ほどしか決まってなくて、あとはアドリブだったんです。愛実の反応があまりにもリアルだから、カヲルも「絶対この球を受け止めなきゃ！」って。全力でキャッチボールしている感じが、とても楽しかったです。

木村：そういう瞬間、嬉しいですよね。なんかお芝居の中でも“人間らしさ”が感じられると、すっと距離が縮まる気がして。

ラウール：僕自身、人見知りなので、最初は緊張してたんです。でも木村さんはすごく穏やかで、空気にぎゅっと優しさが詰まってるような方で。まだ共演回数は少ないんですけど、すでに現場で落ち着ける存在です。あ、でも、あまり気を遣いすぎず、自由に行ってみようかなっていう作戦は立ててました（笑）。

木村：それ、すごくありがたいです。私はラウールさんが、Snow Manのメンバーの皆さんといるときのように、楽しんでいてほしいなと思っていて。今回、共演する男性キャストも多いので、自然体でいてもらえるような環境にできたらいいなと感じてます。

――この作品は、教師とホストという立場も年齢も異なる2人が恋に落ちていく物語ですが、視聴者にとってどんなラブストーリーになりそうですか？

木村：きっと、ドロドロしたものを想像される方もいるかもしれません。でも、私たちが演じていて感じるのは、むしろ“青春”に近いものなんです。大人同士の恋愛だけど、どこかピュアで、ちょっとクスッと笑えるような。青空が似合う恋というか……爽やかさや、もどかしさみたいなものを、丁寧に描けたらと思っています。

ラウール：僕としては、立場や年齢の違いは、そもそもそんなに“障害”じゃないと思っていて。むしろ、そういう違いに向き合うことこそが、深い人間関係の始まりなんじゃないかって。このドラマを見ながら、「いや無理でしょ」ってツッコミを入れてもいいし、「わかる」と肯定してもらってもいい。観る人の視点によって、自由に感じてもらえる作品だと思います。

木村：お互い教えて・教えられての関係で、時には反発しながら、でも最後には一歩踏み出す。そのプロセスに、愛の原点みたいなものがある気がしていて。喜びが、愛に変わっていく。そんな瞬間が、この物語にはあると思っています。

――では最後に、視聴者の方々へ、それぞれメッセージをお願いします。

ラウール：これまでたくさんのラブストーリーがあったと思いますが、『愛の、がっこう。』は、ちょっと変わった切り口かもしれません。環境や立場の違いからくる凸凹をどうやって埋めていくのか。そんな不器用な人間関係のなかで、どう愛が生まれていくのか。そんなことを考えながら観ていただけたら嬉しいです。

木村：誰にでも、自分の中で「ここは見せたくない」というボロボロの部分があると思います。今回のドラマは、そういう部分をさらけ出してこそ、本当に欲しかったものに辿り着ける……、そんな物語だと思っています。木曜の22時となると、少しお疲れの時間帯かもしれませんが、「明日、もう少し頑張ってみよう」と思えるような、そんな追い風になれたら嬉しいです。

■放送情報
木曜劇場『愛の、がっこう。』
フジテレビ系にて、7月10日（木）スタート 毎週木曜22:00～22:54放送
※初回15分拡大
出演：木村文乃、ラウール（Snow Man）、田中みな実、中島歩、坂口涼太郎、味方良介、野波麻帆、早坂美海、荒井啓志、別府由来、りょう、筒井真理子、酒向芳、沢村一樹
脚本：井上由美子
演出：西谷弘
プロデュース：栗原彩乃
音楽：菅野祐悟
制作著作：フジテレビ
©︎フジテレビ
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