『星つなぎのエリオ』“USオリジナル版声優”渡辺直美がワールドプレミアに 「マジ泣いた!」

 8月1日に公開されるディズニー&ピクサーの新作映画『星つなぎのエリオ』のワールドプレミアが6月11日(日本時間)にアメリカ・ロサンゼルスのエル・キャピタン・シアターにて行われ、キャスト・スタッフが登壇した。

 本作は、ひとりぼっちの主人公エリオが、何光年も離れた星で、本当の居場所、大切なつながりを見つける物語を描くファンタジーアドベンチャー。

 ワールドプレミアには、ピクサー・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのピート・ドクターをはじめ、監督を務めたマデリン・シャラフィアン、ドミー・シー、プロデューサーのメアリー・アリス・ドラム、主人公エリオの叔母・オルガ役の声優を務めたゾーイ・サルダナらが集結した。さらに、USオリジナル版のオーヴァ役声優を務める渡辺直美が本国メインキャストの一人としてレッドカーペットに登場。何光年も離れたところにある様々な星の代表が集う場所“コミュニバース”のようにカラフルに彩られた会場に集まった、公開を待ち望む大勢の観客とともに作品を盛り上げた。

 先日、日本人初となるUSオリジナル版と日本版の両方で声優を務めることが発表され大きな話題を呼んだ渡辺。ピクサーのUSオリジナル版声優はこれまで、『トイ・ストーリー』シリーズでウッディを演じたトム・ハンクスや、『トイ・ストーリー4』でバイクスタントマンのおもちゃデューク・カブーンを演じたキアヌ・リーブス、『ソウルフル・ワールド』で主人公のジョーを演じたジェイミー・フォックスなど名だたるハリウッドスターたちが選ばれてきたが、渡辺は本作でその仲間入りを果たし、主人公エリオがたどり着くコミュニバースのメンバーのひとりで平和を愛する惑星の明るく情熱的な大使オーヴァを演じている。

 現在ニューヨークを拠点に活動する渡辺は、この日のために特注した薄紫色でふわふわした見た目のオーヴァをイメージしたパープルカラーのドレスで会場に登場。レッドカーペットでは、渡辺がドクターに英語で挨拶すると、ドクターが「それともフリーダと呼んだ方がいいかな?」と、渡辺が『リメンバー・ミー』で日本版声優を務めたキャラクターの名前で声をかける場面も。渡辺は「覚えてくださっていて、嬉しいです!」と感激した様子を見せた。渡辺の英語での演技について、ドクターは「Amazing! Fantastic! 日本とは異なるかもしれませんが、私たちはまず声を録音し、その後アニメーターたちが繰り返し聴きながら作業を進めます。つまり、直美の声を聴いた人が、その声からインスピレーションを受けてパフォーマンスを創造したのです」と大絶賛しており、それを聞いた渡辺は、「ピクサーの作品をずっと作り続けてきた人にお会いできてめっちゃうれしいです。めちゃくちゃ緊張もしているんですけど、今回(USオリジナル版と日本版の)どっちも声優をやっていて、こんなに褒めて頂いてめっちゃうれしいです」と喜びを爆発させた。渡辺が日本版声優として参加した『リメンバー・ミー』でストーリーアーティストを務め、本作の監督を務めたシャラフィアンも、「彼女の甘い声も素敵で、大使役のキャラクターたちは常に好奇心が感じられるのですが、彼女はその部分を本当に捉えていると思います。そのため、英語版と日本語版の両方で彼女に参加してもらえたことに、私たちは非常に感謝しています」と語っている。

 本国メインキャストとして初めてレッドカーペットを歩いた渡辺は「本当にありがたいことに、今回USの本場の声優をさせてもらって、ワールドプレミアにも参加させていただき、エンタメの第一歩を踏み出せたというか、めっちゃ貴重な経験です」と喜びを興奮気味に語った。演じたオーヴァをイメージしてこのワールドプレミアのために作られた本日の衣装については「どうですか? 可愛いでしょ。オーヴァっていうキャラクターはコミュニバースのメンバーの一人で、紫色で身体も大きいんですけど、情熱的で優しい子。(今日のドレスは)オーヴァのキャラクターにあわせて紫色がいいんじゃないかと思って、ほわほわした感じにしました。ネイルもエリオをイメージして宇宙ネイルにしてるんです! 髪の毛はかぐや姫みたいなイメージで、和な感じにしてみました!」とアピールした。

 そして、渡辺は会場で大勢のファンと一緒に、完成した映画を鑑賞。上映終了後、渡辺は「最高でした! マジ泣いた! 私たちのシーンは断片的に観たことはあったんですけど、全編を見て、友達愛と家族愛、最高…!! (会場内は)大盛り上がりですよ! 泣けるシーンとか、笑えるシーンとか、焦るシーンとか、いろんな喜怒哀楽が出てきて、最高の映画でした。家族愛と、友達愛が同時に来るんですよ。めっちゃ見てほしい」と大興奮。さらに、「聞いてください、エンドロールに名前が出てきました。それも感動! “オーヴァ Naomi Watanabe”って出た時に、もう、すっごい感動しました。嬉しい!!」と、USオリジナル版声優としてオーヴァを演じた喜びを明かした。

 ドクターは本作について「この作品は素晴らしいです。心温まるし、面白いし、映像も目を見張るほどです。私たちは皆、人生のどこかで『自分は人と違っていて、どこかおかしいのではないか、誰も自分のことを好きではないし、ここは自分の本当の居場所なのか』と感じる時があるものです。自分の居場所がない、なじめないと悩むことが時々あると思いますが、エリオもそれを非常に強く感じていて、この映画で最も重要なポイントです。『ああ、あの場面は自分にも当てはまる』と感じてほしいです」と、誰もが共感できる映画になっていると太鼓判を押している。

 また、プロデューサーを務めたドラムは、「これは、ピクサーで制作した最も美しい映画の一つです。これまでにない規模で、見たことのない世界が広がっています。本当に圧倒されるので、ぜひ大スクリーンで観てほしいです」と本作をアピール。『リメンバー・ミー』でストーリーアーティストを務め、本作の監督を務めたシャラフィアンは本作に込めた想いについて、「エリオとグロードンは見た目が全然違って、遠く離れた場所から来ていますが、本質的にはどちらも愛されたいと願う孤独な子供たちです。彼らが会う瞬間は、まるでこれが運命だったかのように感じられ、彼らの友情は私にとって非常にリアルで、映画の核心です。観客がそれを見られるのを待ち遠しく思っています」とコメント。

 『私ときどきレッサーパンダ』を手がけ、本作でも監督を務めたシーは「私たちは皆、エリオのような孤独な子供だったんです。星を見上げて、自分の居場所や仲間を見つけることを願っていました。彼は銀河の冒険に出かけるけど、その深層にあるのは、この孤独と憧れです。そして、それは私たち全員が共感できるものだと思います」と語った。

 さらに主人公エリオの親代わりとなり新しい暮らしに戸惑いながらも、エリオを心配し気持ちを理解したいと願っている叔母のオルガを演じたサルダナは「ピクサーは本当に心打たれる、考えさせられる物語とキャラクターを届けてくれます。小さな子供が『自分の居場所を探したい』と戦っているだけでなく、傷ついた心を癒そうとしているんです。そして、彼の人生で非常に大きな出来事から悲しみを乗り越えようとしている最中なのです」と、地球でひとりぼっちになる少年エリオの物語の一端を明かしている。

 会場には、主人公エリオ役のヨナス・キブレアブや、コミュニバースの支配を企むエイリアンのリーダー、グライゴン役のブラッド・ギャレット、ゴーム星の大使クエスタ役のジャミーラ・ジャミル、“気弱さ”に悩む、心やさしいひとりぼっちのエイリアンの少年グロードン役のレミー・エジャリー、無線オタクのメルマック役のブレンダン・ハント、ブライス役のディラン・ギルマー、ケイレブ役のジェイク・ゲットマン、ファルービナム星の大使ヘリックス役のブランドン・ムーンも登場した。

(左から)ピート・ドクター、渡辺直美
(左から)メアリー・アリス・ドラム、ドミー・シー、マデリン・シャラフィアン

■公開情報
『星つなぎのエリオ』
8月1日(金)全国公開
監督:マデリン・シャラフィアン、ドミー・シー、エイドリアン・モリーナ
制作:メアリー・アリス・ドラム
製作総指揮:ピート・ドクター
日本版声優:川原瑛都(エリオ)、清野菜名(オルガ)、佐藤大空(グロードン)、渡辺直美(オーヴァ)ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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