横浜流星はカッコいいより“かわいい”? 『べらぼう』脚本・森下佳子「好きになりすぎる」

 吉原が舞台の『べらぼう』では、蔦重の幼なじみ・花の井(小芝風花)をはじめとする女郎の生き様、つまりは女性が性を売るという描写が時に直接的な言葉で描かれる。老若男女が観る大河ドラマで性産業を描くことに、大原は「そこから別に目を背けないように僕らはしている感覚です。美化するつもりもないし、現実としてある産業ですし、そこに暮らしている方々がにいらっしゃるわけで。特に強調するとか蔑むとかはなく普通にある世界観として捉えています。名もなき人々にそれぞれの暮らしがあるわけですから。そういったところを普通にエンタメとして見ていただけたらいいかなと思っています」と答え、撮影にはインティマシー・コーディネーターを迎え、キャストはもちろん、スタッフも含めて、嫌悪感を持たないように意識をしていると述べた。

 続けて森下は「子供のことを考えると、なかなか話しにくい話題も出てくるとは思うんですけど……」と前置きしつつ、「個人的な思いとしては、性産業に従事しているのも、自分と同じ人なんだということを――これを観て想像ができる大人になる肥やしにしてもらいたいなって思っています。危ない目に遭う女の人たちも多いので、優しくなってくれたらいいな」と真摯に答えていた。

 さらに、初回は吉原全体が炎に包まれる、いわゆる“吉原炎上”からスタートする。迫力の映像が続いていくが、大原は「ほぼVFXの力」だと明かしつつも、横浜たちに実際に熱を感じて欲しかったため、安全を確保した上でリアルな火も入れたシーンだったという。

 横浜が劇中で着ているのは、緑の着物。『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)では「トッキュウ4号 ヒカリ」として“グリーン”だったため、「緑には縁がある」と嬉しそうに話す。その一方で、アクションシーンでは、蔦重はやられっぱなし。初回では殴られるシーンが多く、今後も「防戦する場面はない」と明かしていた。

 横浜の元に今回の『べらぼう』の話がきたのが、コロナ禍からエンタメが少しづつ復活してきた頃だった。「『べらぼう』を通してエンタメの素晴らしさをみなさまに伝えたいという思いがありましたし、個人的な思いとしてはエンタメ業界で頑張っている人たちにも勇気を与えたいです。作品は届けたらみなさんのものなるので、みなさんがどう感じていただけるのか。蔦重の生き様に何か感じてもらえたら、それだけで自分は嬉しいです」とオンエアに向けてのメッセージを横浜は届けていた。

■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK総合にて、2025年1月5日(日)スタート
総合:毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
BS:毎週日曜18:00〜放送
BSP4K:毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
※初回15分拡大版
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK

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