アルノー・デプレシャンの自伝的作品『映画を愛する君へ』公開決定 50本以上の名作が登場

 アルノー・デプレシャンが監督を務めた映画『Filmlovers!(英題)』が、『映画を愛する君へ』の邦題で2025年1月31日より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開されることが決定した。

 本作は、19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマエッセイ。デプレシャンが監督を務めた過去作『そして僕は恋をする』や『あの頃エッフェル塔の下で』でも主人公となったポール・デュダリスに監督自身を投影し、初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史とともに描く。

 第77回カンヌ国際映画祭で特別上映された本作は、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。

 『そして僕は恋をする』や『あの頃エッフェル塔の下で』でデュダリスを演じたマチュー・アマルリックは本人役として出演。そのほか、祖母役でジャン・ユスターシュ監督作『ママと娼婦』の出演で知られるフランソワーズ・ルブラン、14歳のポール役で『落下の解剖学』のミロ・マシャド・グラネールらがキャストに名を連ねている。

 本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明から、1927年に公開されたアベル・ガンスの『ナポレオン』、1934年公開のフランク・キャプラ『或る夜の出来事』、1959年公開のアルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』、1985年公開の黒澤明『乱』、クロード・ランズマン『SHOAHショア』、1991年公開のジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』、そして1999年公開の『ノッティングヒルの恋人』など、世界中のさまざまなジャンルの映画が次々とスクリーンを駆け巡る。フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場し、デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫っていく。

 さらに、本作はドラマとドキュメンタリーを融合したハイブリッドな構成で展開していき、フィクションのシーンには、一般の観客が映画体験エピソードを語るインタビューシーンが挟まれる。また、大阪のシネ・ヌーヴォや東京のアンスティチュ・フランセなど、日本の映画館も登場。デプレシャン監督は「本作の主題は“私たち”映画の観客」と語るように、観客の視点で映画愛を描こうとしている。

 あわせて公開された日本版ティザーポスターは、祖母に連れられて初めて映画館に訪れた6歳のポールの姿をノスタルジックに捉えたもの。場面写真には、祖母に連れられて初めて映画館を訪れるポールの後ろ姿や本人役として登場するアマルリック、映写機と向き合う14歳のポール(ミロ・マシャド・グラネール)の姿が写し出されている。

■公開情報
『映画を愛する君へ』
2025年1月31日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開
出演:ルイ・バーマン、クレマン・エルヴュー=レジェ、フランソワーズ・ルブラン、ミロ・マシャド・グラネール、サム・シェムール、ミシャ・レスコー、ショシャナ・フェルマン、ケント・ジョーンズ、サリフ・シセ、マチュー・アマルリック
監督・脚本:アルノー・デプレシャン
脚本:ファニー・ブルディーノ
製作:シャルル・ギルバート
共同製作:オリヴィエ・ペール
音楽:グレゴワール・エツェル
撮影:ノエ・バック
衣裳デザイン:ジュディット・ドゥ・リュズ
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ
配給:アンプラグド
2024年/88分/フランス/英題:Filmlovers!/カラー/5.1ch/2.35:1/日本語字幕:福家龍一
©2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle
公式サイト:unpfilm.com/filmlovers

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