12月14日よりユーロスペースほかにて全国公開される『キノ・ライカ 小さな町の映画館』の日本版ポスタービジュアルと予告編が公開された。

　本作は、『ル・アーヴルの靴みがき』『希望のかなた』『枯れ葉』などのアキ・カウリスマキ監督をフィーチャーした初めてのドキュメンタリー映画。北欧フィンランドの鉄鋼の町・カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった小さなその町に、はじめての映画館“キノ・ライカ”がまもなく誕生する。元工場の一角で自らの手で釘を打ち、椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは、映画監督のカウリスマキと仲間たち。キャデラックにバイク、ビールと音楽。まるでカウリスマキの映画から抜け出たようなその町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話し出す。

　監督を務めたのは、クロアチア出身のアーティスト、ヴェリコ・ヴィダク。妻と生後8カ月の娘を連れて、カルッキラに1年間滞在し、「キノ・ライカ」の開館までの作業を手伝いながら、映画館の誕生に沸き立つ人々の声を拾いあげた。また、カウリスマキの理想の映画館が町にもたらした変化の兆し、そしてこれからの映画館の可能性が捉えられている。

　本編中では、カウリスマキと共同経営者の作家のミカ・ラッティらが、2021年に映画館「キノ・ライカ」をオープンするまでの様子やインタビューに応える姿、カウリスマキ自身が朝7時から夕方5時まで館内の内装や看板設置など、ありとあらゆる作業を行い映画館づくりに勤しむ貴重な映像が数多く収められた。

　公開された日本版ポスタービジュアルでは、「キノ・ライカ」の外観や映画館のロゴ、そして、映画館づくりに携わるカウリスマキが脚立に乗ったり、資材を運ぶ姿が切り取られている。『過去のない男』以来、カウリスマキ作品を担当している大島依提亜がデザインを手がけた。

　あわせて公開された予告編でも、黙々と作業を進めるカウリスマキの姿が収められているほか、盟友ジム・ジャームッシュ監督やカウリスマキにまつわる様々な人物たちも登場している。

■公開情報
『キノ・ライカ 小さな町の映画館』
12月14日（土）より、ユーロスペースほか全国公開
出演：アキ・カウリスマキ、ミカ・ラッティ、カルッキラの住人たち、ジム・ジャームッシュ、マウステテュトット、ヌップ・コイヴ、サイモン・アル・バズーン、ユホ・クオスマネン
監督・脚本・撮影・編集：ヴェリコ・ヴィダク
脚本：エマニュエル・フェルチェ
提供：ユーロスペース、キングレコード
配給：ユーロスペース
2023年／フランス・フィンランド／81分／2.00:1／ドルビー・デジタル 5.1ch／DCP／フィンランド語、英語、フランス語／ドキュメンタリー／原題：Cinema Laika
©43eParallele
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