緒形直人、キムラ緑子、ミルクボーイ内海崇 『おむすび』の核となる“神戸編”の人々

 放送中の朝ドラ『おむすび』(NHK総合)第4週では、主人公・結(橋本環奈)の姉で長年糸島を離れていた歩(仲里依紗)が何の連絡もなしに帰ってきた。博多ギャル連合を否定する言い方に怒った結は、幼い頃、姉と一緒に過ごしていた昔を思い出す。第4週の回想シーンでは、米田家に大きな影響をあたえる「神戸編」の人々が登場する。

 1994年、結の両親・聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)は神戸の理髪店で働いていた。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災、そして「神戸編」の人々の存在は、結の運命を大きく変えてゆく。今後じっくりと描かれていくであろう「神戸編」は、本作においてとても重要な物語となるに違いない。

 ここではそんな「神戸編」のキャストである緒形直人、キムラ緑子、新納慎也、内場勝則、岡嶋秀昭、内海崇(ミルクボーイ)らの役どころについて触れていく。

靴店店主・渡辺孝雄(緒形直人)

 神戸・さくら通り商店街で靴店を営む、腕利きの靴職人である渡辺孝雄は、寡黙で口下手なキャラクターだ。人物紹介には“以前に妻を亡くしてから頑固になり、商店街の中で孤立するように”とあり、第3週の終わりに放送された予告編では誰かと言い争う姿も。「神戸編」の人々の明るくにぎやかな雰囲気とは対照的に、一筋縄ではいかない人物として描かれるのではないだろうか。緒形は、2005年に放送された『ファイト』(NHK総合)以来、19年ぶりの朝ドラ出演となる。緒形は演技派俳優として名高く、長谷川博己主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)に出演した際には、緒形の壮絶な演技を絶賛するコメントがネット上に集まっていた。阪神・淡路大震災を正面から描く本作において、名優が見せる演技に期待が高まる。

総菜屋・佐久間美佐江(キムラ緑子)

 夫婦で総菜屋を営む佐久間美佐江は、結の同級生で友人の菜摘(田畑志真)の母でもある。人物紹介には、“明るく豪快な性格”とあり、「神戸編」のにぎやかな雰囲気に一役買う人物像といえそうだ。美佐江を演じるキムラは朝ドラ常連俳優ともいえ、2002年放送の『まんてん』に始まり、『純情きらり』、『ちりとてちん』、『ごちそうさん』、『半分、青い。』に続く出演だ。特に、2013年度後期の『ごちそうさん』の小姑役での“いけず”ぶりは注目を集めていた。“震災後は避難所の運営にリーダーシップを発揮する”という美佐江。彼女の明るさは、震災後の希望の光として描かれるのではないだろうか。

神戸市役所職員・若林建夫(新納慎也)

 米田家が営む理髪店の常連客でもある若林建夫を演じるのは、新納慎也。新納は2023年放送の『ブギウギ』以来、2度目の朝ドラ出演となる。また新納は、大河ドラマ『真田丸』や『青天を衝け』、『鎌倉殿の13人』への出演も記憶に新しい。特に『真田丸』での豊臣秀次役や『鎌倉殿の13人』で演じた阿野全成役では視聴者を魅了し、それぞれの最期がSNS上で「ロス現象」を引き起こしていた。第4週の予告編では、大きな笑顔で拍手を送る姿が印象に残っている。震災時の対応やその後の復興に奔走するキャラクターということで、彼の活躍には励まされることになりそうだ。

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