仲里依紗の演技はいつだって“面白い” 『おむすび』でも活きる“友達のような”親しみやすさ
ついに“伝説のギャル”が糸島に帰還した。朝ドラ『おむすび』(NHK総合)で、主人公・米田結(橋本環奈)の姉であり、米田家の心配の種、博多ギャル連合(ハギャレン)のメンバーにとっての神でもある米田歩が、第4週目から本格登場する。
歩は、結にとって心のひっかかりになる存在であることが、第3週目までで詳細に描かれてきた。高校に入学した途端、歩の妹かと言われ、ハギャレンメンバーからは、“あゆの妹”としてしつこく勧誘を受ける。歩がギャルになったことで、2人の父・聖人(北村有起哉)は、極度の心配性に。しかも聖人の過干渉を受けるのは、結なのだ。
歩の影響を色濃く受けながらも、結は少しずつ自分だけの高校生活を切り開いていった。書道部の風見先輩(松本怜生)や恵美(中村守里)、糸島に野球留学してきた翔也(佐野勇斗)と出会い、ハギャレンメンバーとも、結らしく距離を縮めながら仲を深めてきた。第3週のラストでは、ギャルの掟の一つである“ダサいことはするな”を真に理解し、もう一段階深くギャルに寄り添うようになった結。ハギャレンメンバーも結を、“あゆの妹”ではなく、結自身と向き合うようになった。
ここまでのストーリーで、歩は結にとってハードルのようなものとして存在していた。ほぼ写真でしか登場していないにもかかわらず、その存在感は絶大だ。結が、歩を乗り越えかけたところでの満を持しての登場。どうしたって期待を寄せてしまう。
歩を演じるのが仲里依紗であることも、期待を大きくさせる要因の一つ。少女漫画雑誌『ちゃお』のモデルオーディションで特別賞を受賞したのを機に芸能界入りした仲は、2006年頃から出演作を増やし、アニメ映画『時をかける少女』では主人公・真琴の声優を務めるなど活躍。2010年頃には、『つるかめ助産院〜南の島から〜』(NHK総合)や『レジデント〜5人の研修医』(TBS系)など主演を務めることが多くなった。王道ヒロイン役、陰のあるミステリアスな役、悪女役など、さまざまな役柄を難なくこなす演技派女優の一人だ。