2025年2月14日に公開される実写映画『ババンババンバンバンパイア』（通称：バババ）で、吉沢亮と板垣李光人がメインキャストを務めることが大きな話題となっている。

　原作は、『別冊少年チャンピオン』（秋田書店）にて、2021年11月号から連載中の人気コミック。銭湯で住み込みバイトとして働く450歳の吸血鬼・森蘭丸と、銭湯のひとり息子である立野李仁によるBL（バンパイア・ラブコメディ）だ。2025年1月からはTVアニメの放送も決定している。

　今回、吉沢がバンパイアの蘭丸、板垣が高校1年生の李仁を演じ、2人と奇妙な三角関係に陥る李仁のクラスメイト・篠塚葵役を原菜乃華が演じることが発表された。ライターの杉本穂高氏は、「吉沢亮さんと板垣李光人さんというキャスティングは、SNSでも好評のようです」と述べ、原作ファンの反応の良さを指摘した。

　特に吉沢の起用については、「特報映像やポスタービジュアルを見ても、吉沢さんは原作の主人公・森蘭丸にそっくりです」と高評価。外見的な類似性だけでなく、『東京リベンジャーズ』や『キングダム』など、いくつもの実写映画を成功に導いた吉沢の演技力にも期待が高まっている。

　また、板垣の起用に関しては、興味深いエピソードがある。杉本氏は「立野李仁というキャラクターに関しては、原作者の奥嶋ひろまささんが板垣さんをモデルに“李仁”と名付けたという経緯もあり、これ以上ないキャスティングなのではないでしょうか」と述べた。奥嶋も自身のX（旧Twitter）で、板垣が李仁のモデルであること、実写のキャストとして板垣を提案された際、「運命」だと思ったことを明かしている（※1）。

　一方、漫画の実写化には常に課題がつきまとう。杉本氏は「原作がコメディだからといって必ずしもヒットするということはなく、過去にも原作ファンから批判された作品は多くあります」と指摘。しかし、『バババ』の場合は有利な点があるとも語っている。

　「ギャグテイストになることで、実写特有の“コスプレ感”が出たとしてもギャグ時空なので違和感が緩和されるというケースはあると思います」と杉本氏。さらに、「『バババ』は日本の銭湯が舞台になっているため、実際の銭湯を使ったロケでの撮影となれば、原作のイメージを違和感なく映像化することも可能でしょう」と分析している。“バンパイアが銭湯で働いている”というぶっ飛んだ設定の作品だが、実景を活かすことで原作の世界観を忠実に再現できる可能性が高いのだ。