『GO HOME』小芝風花×大島優子が交わしたバディ再結成の約束 続編を匂わせるやりとりも

 ドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』(日本テレビ系)が9月28日に最終回を迎えた。

 『GO HOME』は前回の第9話から最終章に入っており、最終回は堀口(戸次重幸)の死を縦軸とした佐川(杉本哲太)との弔い合戦、桜(小芝風花)の命の恩人・藤田昭良(尾美としのり)の帰るべき場所、桜の母親・葉月(鈴木杏樹)とのその後、相談室を辞め福島に行く決断をした真(大島優子)と手嶋(阿部亮平)の恋の行方、そして“さくまこ”こと桜と真のバディ解散と、予告時点で分かっていたトピックだけでも入りきるのか、少々不安に思っていた。ラストのボクシングジムでの桜と真の再会まで駆け足であることは否めず、もう少し全体の構成がどうにかならなかったのかと残念に思ってしまった(第5話までの丁寧な作りは良かったため、なおさら)。

 けれど、筆者が『GO HOME』に惹かれていたのは、誠実でリアリティのある脚本と死者が桜の前に現れるという演出である。

 自分と向き合って警察官を辞めてでも闘おうとした堀口に感化され、震災の爪痕が残る福島で福島県警の採用試験を受けることを決めた真。桜は「分かった。そういうことなら、頑張って」とあっけらかんとした表情を見せるが、本心は必死に隠していた。「行かないで、寂しいよ。すごく。だけど、頑張って」という桜の人柄と真との関係性が見えるセリフ、そして演じる小芝風花の緩急と言い回しから思いがより伝わってきたシーンだった。

 もう一つ小芝の演技で印象的だったのは、母からの手紙を読んでの反応。あなたのことは分かってあげられないかもしれないけれど、あなたのことを愛していることは分かるという葉月の真っ直ぐな思いと、早くに亡くなった父が大好きだった桜が咲く春に待っているという手紙を読んで、桜は何気なく母の作った唐揚げを頬張る。ドアノブにかけられていた唐揚げはきっと時間が経ったものであろう。「とっくに冷めてるはずなのにな、美味しいな」と自身の母への気持ちと掛け合わせたセリフと、ほのかな温もりを感じさせるような小芝の涙の演技が素晴らしかった。桜の趣味が食べるということ、花が名前の由来になっている秋桜里(富田望生)とのエピソードとも繋がっている。

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