黒沢清監督作『Chime』狂気を纏った第2弾予告公開 「たった45分のむき出しの映画だ」

 8月2日よりStrangerほかで全国順次劇場上映される黒沢清監督作『Chime』の第2弾予告が公開された。

 「映画の中の三大怖いものを詰め込んだ」という本作は、メディア配信プラットフォーム・Roadsteadオリジナル作品の第1弾として「自由に作品を制作してほしい」というオーダーから作られ、Roadsteadで限定販売された黒沢監督初の中編作品。第74回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品され、全上映回が完売した。なお本作は、東京東エリアにある唯一のミニシアター「Stranger」の初配給作品となる。

 主演を務めるのは、数多くの作品に出演し、本作で黒沢監督作の初主演を飾る吉岡睦雄。そのほか、田畑智子、渡辺いっけいらが共演する。

 料理教室の講師として働いている松岡卓司(吉岡睦雄)。ある日、レッスン中に生徒の田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と、不気味なことを言い出し、驚くべき行動に出るが……。

黒沢清監督 最新作『Chime』第2弾予告 8.2(Fri)Straenger他全国劇場上映

 公開された第2弾予告には、料理教室の後片付けをしているような松岡が、何かに気づき、引きつった表情で振り返る様子が映し出されている。

 なお、8月2日には本作の全国劇場上映開始を記念し、Strangerにて主演の吉岡、黒沢監督が登壇する特別上映が実施されることが決定した。

黒沢清監督 ステートメント

チャイムが鳴り、あなたはこれまでずっと続いていた何かが終わって次の何かが始まるその時が来たことを知る。心の中に不安と期待が同時に押し寄せるが、もう引き返すことはできない。あなたはそれを受け入れるしかないのだ。またチャイムが鳴り、あなたは戸口の外に誰かが立ったことを知る。その誰かがもたらすものが恐怖なのか祝福なのかは、ドアを開けてみるまでわからない。あなたはどうするか? 何もしないでいると絶え間なくチャイムは鳴り続けるだろう。この映画は以上のような私の妄想から生まれた。とりたてたジャンル性も娯楽性も作家性も持たない、たった45分のむき出しの映画だ。
私は、どこにでもいる平凡な中年男である主人公がチャイムによって突き動かされ常識と非常識のあいだを行き来する様を描いてみた。彼は終始不安だ。しかし確信もしている。この非常識こそが、彼をがんじがらめに縛り付けている現代社会のモラルや正義や良心の隙間からするりと抜け出すことのできる、一種の自由でもあるのだと。

■イベント情報
『Chime』プレミアトーク付き上映会
8月2日(金) Stranger
18:10の回上映後 ※料金:一律2000円
20:15の回上映前 ※料金:一律1500円
チケット販売:7月31日(水)
劇場公式サイト(https://stranger.jp/) :0:00〜
劇場窓口:8:30〜

■公開情報
『Chime』
8月2日(金)より、Strangerほか全国順次劇場上映
キャスト:吉岡睦雄、小日向星ー、天野はな、安井順平、関幸治、ぎい子、川添野愛、石毛宏、田畑智子、渡辺いっけい
監督・脚本:黒沢清
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:Stranger
©Roadstead
2024年/45分/日本
公式サイト:https://roadstead.io/chime/
公式X(旧Twitter):@Chime_roadstead

関連記事