Snow Man 阿部亮平、時折覗かせる“あざとさ”という武器 『GO HOME』では優しさも滲む
警視庁に実在する部署「身元不明相談室」を舞台に、捜査官の三田桜(小芝風花)と10歳年上の月本真(大島優子)の同期バディの相性が話題の『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系/以下、『GO HOME』)。
第1話はこの身元不明相談室に捜査一課のエース刑事・手嶋淳之介(阿部亮平/Snow Man)からの協力要請が入ることでストーリーが展開していった。三田×月本の時にいがみ合いながらのテンポの良い掛け合いや、この2人以外にはあまり仕事にやる気のない身元不明相談室のゆるっとした少しカオスな雰囲気に、ビシッとスーツ姿をきめたいかにもエリート然とした手嶋が加わることで一気にこの空間にまとまりが出て引き締まる。さらに阿部扮する手嶋の落ち着いた声のトーンは、身元不明遺体の死の真相を明らかにしていくという本作の設定上シリアスな場面でも変に浮いてしまわず、よくフィットしている。
また、誠実で芯の通った少し堅物な様子が全身から滲み出ている手嶋だが、意外なギャップも覗かせ、インテリだけに留まらない人間臭さも併せ持つ。好意を寄せているクールでサバサバした年上・月本の前では素直に無邪気さを見せ、あからさまにテンションが上がっているのが微笑ましい。この無邪気な笑顔や人懐っこさは、阿部本人がSnow Manのメンバーとの掛け合いの中でも時折覗かせる“あざとさ”という魅力的な武器の1つだろう。“あざとさ”は過剰すぎてもわざとらしくなってしまうため、その出力度合いやバランスこそが重要になってくる知性の賜物だとも言える。本作でも手嶋の月本との距離の詰め方しかり良い塩梅で、安心して彼の片想いを見守ることができる。
そういえば、『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)でも、阿部演じる航空管制官・夏目幸大は常に冷静沈着な女性管制官に憧れを抱いていた。夏目は気象予報士の資格も保有している設定だったが、阿部本人も大学院卒であり、かつ合格率が極めて低いことで知られる気象予報士試験を突破している。それもあってか航空管制官役や刑事役などの専門知識を要する役どころを阿部が演じると自ずと説得力が出る。優秀な理系男性ならではの向上心や理想に向かって努力するひたむきさと、謙虚さや不器用さのようなものも夏目の佇まいからは自然と感じられた。