『南くんが恋人!?』“小さい”八木勇征の愛らしさ 推しを愛でる令和ならではの描写も

 この第2話で印象的だったのは、南くんのキャラ変だ。初回の放送では完璧な理想の彼氏だった南くんは身体が小さくなってしまった不安から、余裕がなくなり、子供っぽくなっている。ちよみに対しても「あんまり男に向かって小さい小さいって何度も言うな!」とプライドをむき出しにする南くん。ちよみが眠っている時は「大きくてもかわいい」と思っていたのに、腹たちまぎれに「『ゴジラ』とか、『進撃の巨人』みたい」と言ってしまい、プチ喧嘩になってしまう。

 だけど、ちよみにはそれが嬉しかった。南くんの方が年上で、喧嘩の時も自分が怒ってばかり。それが今は南くんも本音でぶつかってくれる。ちよみはようやく南くんと対等になれた気がしたのだろう。大変な状況下でも、「神様が素敵な時間をプレゼントしてくれたのかもしれない」と思えるちよみは大人だ。飯沼が演じるちよみは年相応のキュートさもありながら、どこか頼もしい。男女の立場が逆転しても、そこは歴代のちよみたちと共通している。

 最後は無事に仲直りし、デートに出かけた先でキスをするちよみと南くん。何やら怪しい動きを見せるちよみを疑ってかかるより、まず心配する大人たちも優しさに溢れていて、本作にしか味わえない多幸感がある。父の信太郎(武田真治)が幸せを感じる堀切家の家族団らんや、祖母の百合子(加賀まりこ)と手芸店・チャコ(室井滋)の井戸端会議など、ストーリーとは一切関係ないところで交わされる人と人のやりとりもこのドラマの見どころだ。ハートフルで毎週火曜日はいい気分で眠れそう。

 そんな中で唯一不機嫌な人物が、南くんの大学バスケ部のコーチ・佐川美鈴(武田玲奈)。南くんが突然行方をくらませたことで、目をつけられたちよみは彼女にどう対峙するのだろうか。

■放送情報
『南くんが恋人!?』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00〜21:54放送
出演:飯沼愛、八木勇征(FANTASTICS)、武田真治、加賀まりこ、室井滋、光石研、沢村一樹、木村佳乃
原案:内田春菊『南くんの恋人』(青林工藝舎刊)、『南くんは恋人』(ぶんか社)
脚本:岡田惠和
監督:宝来忠昭(テレビ朝日)、小松隆志(テレビ朝日)ほか
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、布施等(MMJ)、村山太郎(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日
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