『さよならマエストロ』石田ゆり子が妻の本音を激白 西島秀俊、玉山鉄二と三角関係に
望みが絶たれた夫は狂おしいほど心が乱れ、すぐさま不調を来たすところは素直でかわいらしい。そんな母性本能をくすぐる無防備さが志帆の悩みの種だったわけだが。二朗(西田敏行)から志帆の相手が晴見フィルのメンバーと聞かされた俊平は、疑心暗鬼になって指揮棒を振る手にも余計な力が入る。そこでくだんの「セヴィリアの理髪師」となる。
「音に乱れが出てたら、そいつがカミさんの間男だよ」
演奏そっちのけで団員の顔を見入るマエストロ俊平と、言葉は伝わらなくても視線を交わす団員たちのやり取りがおもしろいのなんの。目は口ほどにものを言うが、最後の最後に自白してしまった古谷は、まんまと二朗の嘘発見器に引っかかったことになる。晴見フィルの救世主である俊平の顔を立てつつ志帆とうまく行くことを望む古谷は、悪びれないのに誠実でいたいと願い、なおかつ体面を保とうとする姿がリアルだ。大人同士の色恋沙汰は分別があるから余計みっともなく、味わい深いことを伝えていた。
今作を面白くしているキャストの一人が玉山鉄二で、既視感のある地方公務員になりきっている。実家の床屋「フィガロ」で俊平と出くわした際のずっこける動作など芸の細かさはさすがだ。『さよならマエストロ』第4楽章は俊平を知る新キャラの登場もあり、喧騒の中で幕を閉じた。二朗は古谷と志帆の関係を知って渦中の男女を集めたわけで、策士二朗の狙いが的中するか注目である。
■放送情報
日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:西島秀俊、芦田愛菜、宮沢氷魚、新木優子、當真あみ、佐藤緋美、久間田琳加、大西利空、石田ゆり子、淵上泰史、津田寛治、満島真之介、玉山鉄二、西田敏行
脚本:大島里美
音楽:菅野祐悟
主題歌:アイナ・ジ・エンド「宝者」(avex trax)
撮影監督:神田創
音楽監修:広上淳一(東京音楽大学)
全面協力:東京音楽大学
企画プロデュース:東仲恵吾
プロデュース:益田千愛
演出:坪井敏雄、富田和成、石井康晴
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/sayonaramaestro_tbs/