宮沢氷魚、『さよならマエストロ』で感じた芦田愛菜の魅力 「ツッコミも嬉しくて(笑)」
TBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』に出演中の宮沢氷魚のインタビューコメントが公開された。
本作は、TBS金曜ドラマ『凪のお暇』(2019年)、『妻、小学生になる。』(2022年)などを手がけた大島里美脚本のオリジナルストーリー。世界的天才指揮者の夏目俊平(西島秀俊)とその娘・響(芦田愛菜)の物語が紡がれていく。
宮沢が演じるのは、俊平が指揮をとる廃団寸前の市民オーケストラ・晴見フィルハーモニーのスーパーポジティブなトランペッター・森大輝。第3話(第3楽章)では、俊平と晴見フィルが人々に音楽のギフトを届ける模様が描かれた。
日曜劇場のレギュラー出演は念願だったという宮沢。本作のオファーが来たときの感想を次のように語る。
「素直に嬉しかったです。日曜劇場のレギュラー出演は初めてで、今までいち視聴者として見ていたのですが、いつかレギュラーで出てみたいという思いがあったので、念願が叶って嬉しかったです。その際にプロットをいただいて読んだのですが、すごく明るい話になるだろうなという予感がしました。日曜の夜に自然と笑顔になるような、温かい話になるんだろうなと。僕もその一部となってみなさんを笑顔にすることができればと思い、参加させていただけて光栄です」
物語の中でもまさに“笑顔”を届けるようなキャラクターを演じている宮沢。自身が演じる大輝という役柄については、「僕が演じる森大輝という人物は、市役所の観光課で働いているすごくポジティブな青年です。普段の僕はそこまでスーパーポジティブというわけではないのですが、周りから僕といると笑顔になれると言われることが多々あり、そのあたりは大輝に近い部分もあるのかなと思っております。職場でもオーケストラでもとにかく前向きで、みんなを元気にする人物です」とコメント。
物語における大輝の存在感については、「物語の中では多くの人物と関係性があり、台本を読んでいると出番が多いというか、あ、ここにもいるんだなと(笑)。大輝を通して物語が進んでいくところもあると思います。自分自身の物語を発信するところももちろんあるのですが、大輝の行動や言葉を通して、別のキャラクターの物語も進めているため、大事な役割だと思っています」と分析していることを明かした。
本作で主演を務めている、世界的天才指揮者の夏目俊平役の西島秀俊とその娘・響役の芦田愛菜。宮沢は、2人との共演についてどのように感じているのだろうか。
西島との共演については、「西島さんとは今作が二度目の共演なのですが、前作では共演シーンがほとんどなく、今作のようにガッツリやらせていただくのは初めてです。マエストロ役が本当にぴったりですね。西島さんからにじみ出ている優しさと真面目さなどがリンクしており、普段の西島さんにも見える要素といいますか、その魅力が役にも反映されているのではないかと思います」と語り、「西島さんが指揮をされているところを見ると、演奏している僕も楽しくなってきて、自然と僕たちから音を引き出してくれる感覚があります。本当にご自身も楽しんでいるからこそ、僕たちにもその想いが伝わってくるのではないかと思います」と現場で感じた西島の魅力を明かした。
共演シーンの多い芦田については、「芦田さんとの共演は今作が初めてです。僕より年齢が10個違うのですが、すごく堂々とされていて、大人の魅力も持っていらっしゃって、もうなんでしょうね(笑)。安心感といいますか。芦田さんとのシーンはあちらがすごくしっかりされてるので、もう僕はそれに乗っかっていくだけです」と大絶賛。「役としても大輝は芦田さん演じる響に叱られたり、いろいろことを指示されたりということがあるので、純粋に僕はもう芦田さんについて行っているだけです。響さんからツッコまれることが多いのですが、そのツッコミも嬉しくて(笑)。僕も楽しんでいるのですが、見てくださるみなさんも楽しんでいただければと思います」と、2人の掛け合いの見どころも語った。
トロンボーンの演奏経験があるという宮沢。本作で新たに挑戦したという楽器の演奏について聞かれると、「僕はトランペットを担当しております。トロンボーンを学生の頃に吹いていたので、金管楽器ということに関しては経験はあるのですが、全く別物です」と同じ金管楽器でも大きな違いを感じたようで、「経験ある方はご存知かと思いますが、トロンボーンは口にくわえる鉄の部分が大きいんです。唇全体が覆われる感じで、そこに空気を通して振動を与えることによって音が鳴るのですが、大きいから空気が漏れることがないんです。それに対して、トランペットのマウスピースってなんでこんなに小さいのってぐらい小さくて(笑)。まずそこに空気を通すことがとても大変で、音は出るけど、高音が出せなかったり逆に低音が出せなかったり。いろいろな課題があったのですが、クランクインする2カ月半前ぐらいから先生の方と一緒に練習をして、なんとかクランクインに間に合ったというかんじでした」と、撮影前のエピソードを明かした。
さらに、「その中で演奏するにしても、大輝というキャラクターを考えたときに、ただ演奏しているだけではなく、やっぱりそこにキャラクターが乗っかって、楽しそうに吹いていなければ駄目だと思いまして。うまく演奏しようという考えは一度捨てて、大輝らしく、一生懸命楽しく吹いている姿が皆様に伝わればいいなと思っております」と“大輝らしさ”を出すための工夫についても言及。
演奏シーン以外の注目ポイントについて聞かれると、「見ていただきたいところはたくさんあるのですが、自分が出ているシーンでいいますと、玉山さん演じる古谷さんとの絡みというのが個人的に結構好きでして(笑)。大輝と古谷さんは一緒のシーンが多いのですが、玉山さんがボケてくるといいますか、ちょっとコメディに振ったお芝居をすることがあるのですが、そこに乗っていくのがすごく面白くて。あまり言ってしまうとネタバレになってしまうので具体的には言えないのですが、ぜひ古谷さんと大輝のシーンを楽しみに見ていただければと思います」と、玉山鉄二演じる古谷悟史との掛け合いの面白さをアピールした。
タイトルにあるアパッシオナートとは、音楽の発想標語の一つ。「熱情的に」「激しく」を意味する。タイトルにもある「アパッシオナート」のように、宮沢もついつい熱くなってしまう趣味があるそう。「子供の頃から野球少年だったので、球場に行くとアパッシオナートします。大きい声を出して応援するし、盛り上がってきたら立ち上がって応援団の皆さんと一緒に声を出します。球場にいる時間、野球を見ている時間はかなりテンションが上がります」と、幼少期から熱くなっていたという野球について語った。
最後に視聴者へ向けて次のようにメッセージを送った。
「このドラマはいろいろな形の愛情に対して考えさせられる作品だと思います。家族の愛情であったり、友達同士の愛情であったり。あとは自分のことをどれだけ大事にし、自分を愛することができるかという。いろいろな形の愛について考えるきっかけを与えてくれる作品だと思いますので、皆様にも是非そういった部分を感じていただければと思います。また、そこに音楽が乗っかってくると余計なことを考えなくても、すごく素直に自分と向き合うことができるかと思います。難しいことは考えずに、フラットな状態でぜひこのドラマをお楽しみください」
■放送情報
日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:西島秀俊、芦田愛菜、宮沢氷魚、新木優子、當真あみ、佐藤緋美、久間田琳加、大西利空、石田ゆり子、淵上泰史、津田寛治、満島真之介、玉山鉄二、西田敏行
脚本:大島里美
音楽:菅野祐悟
撮影監督:神田創
音楽監修:広上淳一(東京音楽大学)
全面協力:東京音楽大学
企画プロデュース:東仲恵吾
プロデュース:益田千愛
演出:坪井敏雄、富田和成、石井康晴
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/sayonaramaestro_tbs/