フジテレビドラマが第二の黄金期に? 『silent』に続き『いちばんすきな花』も期待大
そして、フジテレビドラマの勢いの中心となっているのが木曜劇場(木曜22時枠)である。
転機となったのは冒頭で触れた『silent』。聴覚障害者の青年と健常者の女性の恋愛を描いた静かな物語は、新しい時代の恋愛ドラマとして若者から熱狂的な支持を獲得した。
また、本作のヒットの背景にTVerの無料配信があったことは間違いないだろう。放送当時、『silent』はダイジェスト版やテレビでは放送されなかった「第4話エピソード0」といったオリジナルコンテンツをTVerで積極的に配信することで、テレビを観ない視聴者を掬い上げることに成功した。
「セックスレス」が題材だったため、家族で観ることが難しかった木曜劇場の『あなたがしてくれなくても』もTVerで多く再生されたドラマで、一人でこっそり観たい視聴者の受け皿にもなっていた。TVerの再生回数と週間視聴ランキングは、平均視聴率に匹敵する大きな指標となりつつあるが、その決め手となったのも『silent』だったと言って間違いないだろう。
次回の木曜劇場では、生方美久脚本のオリジナルドラマ『いちばんすきな花』がいよいよスタートする。多部未華子、松下洸平、神尾楓珠、今田美桜のクアトロ主演が打ち出された本作は「男女の間に友情は成立するのか」をテーマにしたドラマだ。プロデューサーは村瀬健、チーフ演出は髙野舞という『silent』のチームが再結集しているため、放送前から注目が集まっている。
『silent』の登場によって第二の黄金期を迎えつつあるフジテレビドラマだが、『いちばんすきな花』が、その決定打となるのかもしれない。