連続テレビ小説『らんまん』（NHK総合）の第20週となる「キレンゲショウマ」が放送された。とうとう万太郎（神木隆之介）の家に借金とりが現れるほど家計は厳しいものに。だがその一方で、万太郎の元には日本中の植物が届くようになり、ますます研究に明け暮れるのであった。そしてその頃、田邊（要潤）は窮地に立たされていた。

　第20週は万太郎や田邊の仕事ぶりにとどまらず、寿恵子（浜辺美波）や聡子（中田青渚）など妻たちの活躍も目を引いた。今回は『らんまん』の世界で頼もしい姿を見せる妻たちにクローズアップしたい。

寿恵子（浜辺美波）

　万太郎の植物学研究を誰より応援し、支えている寿恵子。これまでも幾度となく頼もしい姿を見せてくれたが、第20週ではその堂々とした立ち振る舞いであっという間に借金取りを丸め込む。万太郎の素晴らしさを語り、借金の取り立てに来たはずの男に植物図譜を売りつけ、返済期限を伸ばし、追加の借金までした。これまでも体力・気力ともにたくましい寿恵子であったが、さらに頼り甲斐のある妻となる。それでいて素直で真っ直ぐで愛嬌があり、唯一無二の輝きを放つのだ。

聡子（中田青渚）

　田邊の元に嫁入りした聡子は、当初はなかなか自信を持てずにいた。だが時を経て、前妻の残した娘たちからの信頼を勝ち取り、田邊に対しても物申せるほど頼もしくなる。田邊が様々な思惑に巻き込まれ、心折れそうな時に支えたのは紛れもなく聡子だ。やけになる田邊を包み込むようにいなす聡子の大きな愛に胸を打たれる。