ひかりから指摘され、小原が言い返す「男女の関係をね、すぐに恋愛と結び付けたがるのは、トレンディードラマを見すぎた古い世代の悪い癖よ」というセリフに思わず笑ってしまった。第2話の「ドラマはオンエアで観ろ」も強烈だったが、「トレンディードラマを見すぎた古い世代」というセリフを織田裕二に言わせる脚本・大森美香の意地らしさよ。加熱していく悪ふざけのようなひかりと小原のやり取りも愛おしい。

　また、ひかりが執行補助者として契約したのは、長窪桂十郎（笠松将）の運送会社で、肩書きとしては「執行補助者 運送担当（新人）」となる。以前からひかりのことを気にかけていた長窪。手際が良く、度胸もあり、職を探していたひかりに契約を提案したのは彼であり、ひかりの肩に手を置き、すっかり上機嫌。それを見た栗橋は慌てた様子で、「女性の体を気安く触るなマッチョめ……！」と陰口を叩く。小原の「ガッデム！」を例として、『シッコウ』には横文字が頻繁に登場することも気になるが、それよりもひかりと長窪、栗橋の三角関係を想像してしまうのは筆者もトレンディードラマを観すぎた悪い癖なのだろうか。

　今回の第4話は、これまで女性が執行官に採用された例は一度もないというエピソードを織り込みながら、執行補助者として契約をしたひかりに、小原が「ありがとう、友よ」と声をかけるシーン、そして「このドラマはフィクションです」という文字と一緒に示された「現実では、今年4月に初めて女性の執行官が1名採用されました」というアナウンスが新しい一歩を踏み出していることを実感させた。

■放送情報
『シッコウ!!～犬と私と執行官～』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00～21:54放送
出演：伊藤沙莉、中島健人（Sexy Zone）、織田裕二、笠松将、ファーストサマーウイカ、六角精児、菅原大吉、駒井蓮、モロ師岡、宮崎美子、渡辺いっけい、勝村政信
脚本：大森美香
音楽：得田真裕
ゼネラルプロデューサー） 横地郁英（テレビ朝日）
プロデューサー） 川島誠史（テレビ朝日）、菊池誠（アズバーズ）
演出：田村直己（テレビ朝日）、星野和成、高橋貴司
原案：小川潤平『執行官物語』
制作協力：アズバーズ
制作著作：テレビ朝日
©︎テレビ朝日