『ラストマン』寺尾聰演じる護道清二が怪しい? 41年前の事件の真犯人を考察

 福山雅治と大泉洋が共演するTBS日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』もいよいよ最終章を迎える。そこで、これまで重要なポイントを振り返り、今後の展開を考察してみたい。

 物語は、全盲の人たらしFBI特別捜査官・皆実広見(福山雅治)が、日本の警察庁とFBIの連携強化を目的に、アメリカから期間限定で来日したところから始まった。そんな皆実のアテンドを命じられたのが、警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(大泉洋)。代々、警察庁長官を務めあげてきた由緒正しい“護道家”の人間である心太朗は、自ら志願して警察の中でキャリアではなく現場を選択し、査一課で圧倒的な検挙数をあげていた。ただ、逮捕のために手段を選ばない孤高の刑事として警察内部で敵も多い。そんな心太朗に、次期警察庁長官の最有力候補とされる警視庁次長の兄・護道京吾(上川隆也)から命じられ、皆実をアテンドすることになるが、実は皆実が心太朗を指名していた。

 皆実が来日した真の目的は、41年前に両親が殺された事件の再捜査。10歳の時に生家で強盗放火殺人事件の被害に遭い、皆実は意識不明となり、不動産業を営む父・皆実誠(要潤)、母・勢津子(相武紗季)が(何者かに刺され?)焼死体で発見される。皆実は視力をなくし、両親を亡くしたため、アメリカに住む祖父母に引き取られて育った。

 この強盗事件の犯人として逮捕されたのが、飲食店経営をする鎌田國士(津田健次郎)。捜査本部は火災が発生する前に被疑者が強盗殺人の目的で現場に不法侵入し、もみ合いの末に殺害した可能性があるとして鎌田を逮捕した。この鎌田の実の息子が心太朗だ。事件後、心太朗は京吾の実父である第21代警察庁長官だった護道清二(寺尾聰)の養子となる。心太朗に向かって「今日からお前は、正義の人間だ」と語りかけるシーンが何度か映し出されている。そうした過去があり、心太朗は逮捕のために手段を選ばない刑事となったのだろう。つまり、京吾と心太朗は義兄弟。ちなみに、捜査一課佐久良班の警部・護道泉(永瀬廉)は京吾の息子で、心太朗の甥っ子という関係性となっている。

 そうした背景と、真相に近づくために、皆実は心太朗をパートナーに指名したのだろう。心太朗は、当初は実父が皆実の両親を殺した犯人であったことは知らなかったが、捜査資料を見たことでその事実を知ることになる。皆実は鎌田と面会をしたいと何度もお願いするが、京吾は拒否し、清二は皆実が鎌田と接触することを注視している。おそらく、皆実が面会すると、当時聞いた声で犯人かどうか分かるだろうし、もし鎌田が誰かを庇い嘘の自供をしていたのなら、皆実の能力で見抜かれてしまう。それを警戒してのことだろう。

 しかし、そこまで鎌田を皆実に会わせたくない理由とは何か。単純に考えると、日本の警察の面子の問題となるのだろう。もし冤罪だとしたら、代々警察庁長官を務めあげてきた護道家を失墜させる。もしくは、真犯人がお偉方の政治家か警察上層部の何者かで、何らかの口封じのために皆実の両親を消した。不動産業を営んでいるとはいえ、皆実家は渋谷区広尾の住宅街に大豪邸を構えていたのを見ると、かなりの権力やセレブたちと繋がりあると予想される。そのことを相談された当時の清二が、たまたま居合わせていた鎌田に全ての罪をなすりつけ偽装した。清二が犯罪者の子を養子にした理由は鎌田との交換条件なのだろうか。だから鎌田は真相を語らないと予想もできる。

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