伊東蒼、世界の命運を背負うキーパーソンに 『どうする家康』など重要な役を担う理由

 日本国内の映画賞を席巻した『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)では物語の芯部に大きく関わる少女を演じ、翌2017年には『島々清しゃ』にて映画初主演。安藤サクラを相手に堂々たる主演俳優ぶりを示し、映画界におけるその才能と存在感を刻んだ。ここ数年の間に一気に名が知れたのは、『空白』(2021年)や『さがす』(2022年)といった話題作にして問題作で物語を駆動させる少女の役を演じたからだろう。いずれも興行的に大きな成功を収めたわけではないが、それぞれの年の公開作を代表する一本であることは間違いない、ハードな“劇薬”ともいえる映画である。そのような作品で中核を担うことのできる稀有な俳優なのだと知らしめてきた。さらにここに、若者たちの恋愛模様をユーモラスかつ哲学的に描いた『恋は光』(2022年)も加わる。映画ファンにはもはやお馴染みの若手俳優の一人なのだ。

『おかえりモネ』伊東蒼、目が離せない“異質感” 物語を動かす重要な役どころに?

連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)第21週「胸に秘めた思い」で、百音(清原果耶)の元を一人の女の子が訪れる。予告編によ…

 半年かけて展開する物語の後半の盛り上がりに貢献した朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)での好演も記憶に新しい。戦乱の世を舞台にした時代劇から激動し続ける社会を舞台にした現代劇まで、日本中の涙を誘うようなヒューマンドラマからサスペンス、そして青春映画まで、伊東は柔軟に適応してみせる。

紀里谷和明『世界の終わりから』に毎熊克哉、岩井俊二、又吉直樹ら出演 予告編も公開

紀里谷和明監督最新作『世界の終わりから』の公開日が4月7日に決定し、第1弾予告編と追加キャストが発表された。  『CASSHE…

 主演を務めた紀里谷和明監督の最新作『世界の終わりから』も封切られたばかりだ。この作品では世界の命運を背負うことになる少女を演じている。いや、“この作品では”というのは誤りか。どの作品でも、キーパーソンである彼女が背負っているのは「世界の命運」だ。『どうする家康』で伊東が背負うのも、あの戦乱の世界の命運である。観る者の胸を締め付ける演技を必ずや刻むことだろう。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

関連記事