伊東蒼、世界の命運を背負うキーパーソンに 『どうする家康』など重要な役を担う理由

 大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)の第13回「家康、都へゆく」にて登場を果たした伊東蒼。このところ彼女のことをよく目にするようになったという方も多いのではないだろうか。実際にここ数年は特に、いくつもの話題作において極めて重要な役どころを務める機会が増えている。『どうする家康』への参加もその一つなのだろう。

 本作で伊東が演じているのは、織田信長(岡田准一)の妹であるお市(北川景子)が嫁いだ浅井家の侍女・阿月。貧しく厳しい生活を送っていたところをお市に助けられ、その恩義からかとにかく献身的に仕える少女のようである。とはいえ、第13回「家康、都へゆく」での出番は多いとは言えないものだった。いや、はっきり言って伊東の出演はほんの一瞬のことだった。そもそも彼女は声すら発していない。

 しかし、なぜだか強く印象に残っている。限られた時間の中で、注目人物であるお市との関係を見事に示すことができたからだろう。お市といえば品格と強さを持った女性である。これを体現する北川の演技は非常に凛々しい。彼女の演技に対して伊東は真逆のものを提示しなければならない。上目遣いでの恐縮気味な表情は、阿月というキャラクターの控えめな性格と、お市や家康(松本潤)を前にした彼女の立場を端的に表していた。

 もちろん、本作における伊東のインパクトの強さの理由はこれだけではない。第14回「金ヶ崎でどうする!」では織田家と浅井家が対立へと向かうさまが描かれるらしい。その予告で見せる伊東の姿が非常に印象に残るのだ。お市の命により阿月は奔走し、文字通りに“走り”もするキーパーソンになるようである。“伊東蒼=阿月”の回となるのかもしれない。

 そんな伊東の大河ドラマへの出演はこれが二度目。2012年放送の『平清盛』(NHK総合)に続いてのことだ。そう、これが彼女にとっての11年ぶりの大河ドラマ。この若き才能はまだ10代ながら、すでに10年以上の俳優としてのキャリアがあるのである。このところ彼女のことをよく目にするようになったという方も多いのではないだろうか、と先述したが、子役時代からいくつもの大役を担ってきた。知っている人は知っているだろう。

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