奥田庸介監督の原点回帰となる6年ぶり長編新作『青春墓場』7月8日公開決定 特報映像も

 奥田庸介監督6年ぶりとなる長編映画『青春墓場』が、7月8日より渋谷ユーロスペースほかにて公開されることが決定した。

 早稲田大学の卒業制作『青春墓場』が2008年と2009年にゆうばり国際ファンタスティック映画祭入選し、2010年に『青春墓場〜明日と一緒に歩くのだ〜』が同映画祭3度目のノミネートでグランプリを獲得した奥田監督。2011年に『東京プレイボーイクラブ』で商業映画監督デビューし、釜山国際映画祭や東京フィルメックス、ロッテルダム国際映画祭のコンペティション部門であるタイガー・アワードに出品された。以降、『クズとブスとゲス』『ろくでなし』など、社会の枠からはみ出てしまった人間たちの運命が交錯する群像劇を作り上げてきた。本作は、そんな奥田の6年ぶりの長編監督作。自身のデビュー作と同名のタイトルを名付けた、原点回帰とも言うべき作品となっている。虐められる高校生とその母親、漫画家と同棲中の恋人―――2つの物語が交錯した時に起こる悲劇を描き、2021年開催の第22回東京フィルメックにて、日本映画で唯一コンペティションに選出された。

映画『青春墓場』特報映像

 あわせて、特報映像と場面写真も公開。東京の下町、中華料理屋で働く男がアルバイトの中年女性に「息子が虐められているので相談に乗ってほしい」と頼まれる。渋々引き受ける男だったが、中年女性の息子は虐めを認めようとしない。漫画家の青年は合コンで出会った劇団員の女性となるがままに同棲をはじめる。劇団員への気持ちが曖昧だった漫画家だったが一緒に暮らす内に愛情を感じはじめる。そんな中漫画家に昔の恋人から電話が来る。2つの物語が交錯する時に悲劇が起こるのだった。

 元東京フィルメックスプログラミングディレクターで、2015年に『クズとブスとゲス』を同映画祭で上映し、現在は東京国際映画祭のプログラミングディレクターを務める市山尚三は、「バイオレンスとラブロマンス、一見関連性のない二つのストーリーが奇跡的に融合する『青春墓場』は奥田庸介の特異な才能が開花した驚くべき傑作だ」と本作を絶賛。東京フィルメックスプログラミング・ディレクターの神谷直希は、「それを観たら、それまでの自分ではいられなくなるような映画。奥田庸介は、そんな映画を生み出すことができる、数少ない映画作家の一人だ」とコメントを寄せた。

コメント

市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)

バイオレンスとラブロマンス、一見関連性のない二つのストーリーが奇跡的に融合する『青春墓場』は奥田庸介の特異な才能が開花した驚くべき傑作だ。

神谷直希(東京フィルメックス プログラミング・ディレクター)

それを観たら、それまでの自分ではいられなくなるような映画。奥田庸介は、そんな映画を生み出すことができる、数少ない映画作家の一人だ。『青春墓場』のような映画に相対すれば、観る方も無傷ではいられないかもしれないが、それが映画を観るということであり、アートに触れるということなのだろうと思う。

■公開情報
『青春墓場』
7月8日(土)渋谷ユーロスペースほかロードショー
監督・脚本:奥田庸介
出演:笠原崇志、古川奈苗、田中惇之、堀内暁子、鈴木たまよ、奥田庸介、伊藤竜翼、高川裕也、梅田誠弘、中澤梓佐、武智央、守谷周徒、飯田芳、前田隆成、二階堂新太郎、藤井陽人、中野健治、椎名香織、宇田川さや香、高野春樹、ナカムラユーキ、嶺豪一、藤原珠恵、スミト・ルイ、呂布カルマ
配給:イハフィルムズ
2021/96分/日本/カラー/5.1ch
©映画蛮族
公式サイト:https://twitter.com/seishunhakaba

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