『舞いあがれ!』“町工場芸人”モンスターエンジン 西森が登場 東大阪を語るリアルな言葉

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第22週「冒険のはじまり」に、モンスターエンジンの西森洋一が出演する。東大阪出身で、実家が精密機械部品の工場であることが知られている西森。予告に西森の姿が映っただけで、期待をふくらませた人は多いのではないだろうか。

 第102話では、町工場を近隣の人たちに知ってもらうためのイベントであるオープンファクトリーを成功させた舞(福原遥)が、東大阪の町工場の社長たちと「うめづ」で祝宴を開く。次回のオープンファクトリーはもっとパワーアップさせようと盛り上がっている中、店の片隅にいた金網の製造業を営む小堺(三谷昌登)は、自分のところは経営状況が悪化しており、オープンファクトリーどころではないと不満を爆発させる。そんな小堺の様子を見て、自分に何かできることはないかと考える舞は、大洋製鋼の堤に声をかける。この堤を演じるのが西森だ。

 西森は、大林健二とコンビを組む「モンスターエンジン」として漫才やコントをする傍ら、お笑いネタ番組『あらびき団』(TBS系)に単独で出演した際、実家をネタにした「鉄工所ラップ」を披露して注目された。これは“鉄工所あるある”を歌ったものだが、鉄工所だけではなく町工場が人々の生活を支えていることを訴えていたり、職人たちの爪が黒くなり、洗っても落ちないことを伝えていたりと、『舞いあがれ!』で描かれていることにつながる内容のラップなのだ。最初は面白いと思って笑いつつも、よく聞いているうちに、悲哀に満ちていながらも、町工場の職人の誇りを感じさせ、非常にカッコいいラップであることが分かる。

 西森の鉄工所ラップの歌詞には、「何度も同じことを繰り返し、身につけた技術」「臭い油にまみれて、危険と隣り合わせて、安い弁当を食う」「俺たちが世間の暮らし支えてる」「新幹線、携帯電話、みな気づけ、それは当たり前じゃない」といったものがある。西森自身も鉄工所で働いた経験があるので、このような歌詞が書けたのだろう。

 『舞いあがれ!』の第22週は、これまで以上に舞が東大阪の町工場の存続を真剣に考えるエピソードが取り上げられる。そこに『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の“町工場芸人”の回にも出演したことがあり、YouTubeの自身のチャンネルで鉄工所関連の動画も配信している西森が出演するのは、まさに満を持しての登場と言えるのではないだろうか。堤の言葉は舞、そして視聴者に真っ直ぐに届き、心に響くものになるに違いない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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