『舞いあがれ!』福原遥×目黒蓮×佐野弘樹が見せた結束力 優しさだけでは通用しない世界へ

 宮崎本校での座学を終え、見事学科試験に全員合格した舞(福原遥)たち航空学校の1年生。連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)第9週が幕を開け、舞台は北海道・帯広へ。ついにフライト課程に進んだ彼らを待ち受けていたのは、自衛隊出身の鬼教官の大河内(吉川晃司)だった。

 大河内は人呼んで帯広の神様こと、“サンダー大河内”。能力がないと判断した学生は、容赦なく退学にすると噂されている。第40話の終盤でも、宮崎本校の教官・都築(阿南健治)の「今回もなかなか面白い子たちですよ」という言葉に「パイロットに面白さは不要です」と一刀両断していたのが印象的だ。そんな大河内が、舞、柏木(目黒蓮)、水島(佐野弘樹)で組んだAチームの担当教官となる。

 これは舞にとって、かなり分が悪い。というのも、これまで舞は都築の存在に結構助けられていた部分があるからだ。例えば、航空学校の最終面接での場面。舞は面接官を担当した都築に“得意なこと”を聞かれて“好きなこと”を答える、まあ面接ではありがちなミスをおかした。それは仕方ないにしろ、ちょっと頼りなく見える舞が合格したのは都築がその熱意を買ってくれたから。キラキラと目を輝かせながら志望動機を語る舞に、あたたかな眼差しを向けていた都築。学科課程でも舞は他の生徒と比べて成績優秀とは言えなかったが、チームワークを大事にするところもちゃんと都築は見てくれていた。

 だけど、噂が本当なら大河内にとって舞の人柄など関係ない。パイロットの資質があるかどうか、ただそれだけ。いよいよ舞が優しさだけでは通用しない世界に突入したことを実感させられる。でも考えてみれば、大河内の姿勢は当たり前といえば当たり前だ。旅客機のパイロットは大勢の命を預かって空を飛ぶ。乗客にとってパイロットがどういう人かなんて知ったこっちゃなく、ただ目的地まで安全に飛行機を飛ばしてほしいという願いしかない。

 舞たちは帯広でまず、フライトシミュレーターを使ったイメージトレーニングに挑む。そこで舞が苦戦するのが、プロシージャーだ。これは飛行機を安全に飛ばすための基本となる作業。飛行機の操縦席に乗り込んでから降りるまで、必要となる手順を声に出しながらチェックしていく。その数はなんと全182項目にも及び、一つの漏れも許されない。

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