清原果耶、『霊媒探偵・城塚翡翠』で新たな領域に? 実写ドラマ版の主演抜擢に期待の声
累計発行部数50万部突破の相沢沙呼原作による人気ミステリー小説 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(講談社文庫)を清原果耶主演で実写化する、10月期の日本テレビ系日曜ドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』。人気小説や漫画の実写化に対して世間の反応が良くないことも多いが、今回の清原主演抜擢への反応がとても良く、期待が高まっている。
本作は、“霊が視える”という能力を持つヒロイン・城塚翡翠が、死者からのヒントを頼りに“霊媒探偵”として難解な事件と向き合っていくミステリー。霊視には証拠能力がないため、誰からも信じてもらうことができない。彼女はどんな方法で事件を解決に導いていくのか、緻密に構成された物語が驚きの展開につながっていく。
女優・清原果耶のイメージは、清楚な佇まいとピュアなまなざし。そして、表情一つで様々な感情が表現できるだけでなく、顔は笑って心で泣いているような、複雑な心理描写を力強く体現する、心の声を伝えるのが巧みな役者だ。ネット上では「綺麗だけど演技力もある」「この世代の俳優さんの中で、演技力や表現力などトップクラス」など、清原の演技に関して好評価の声が多い。
2019年の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)では、広瀬すず演じる奥原なつの妹・千遥役を演じた清原。戦後幼い頃に生き別れとなった兄姉と13年ぶりに電話をするシーンでは、「もしもし……」と搾り出すような姉の声を聞いて、千遥は「ご心配をおかけして、すみませんでした」と話す。何も言えず、ぼう然とした表情のまま電話を切り、ツーっと涙を流した清原。その姿に、単純に嬉しい悲しいではなく、空白の13年間の重さ、やんごとなき理由で電話してきたことなど、千遥の様々な辛い背景を想像させた。同じ朝ドラでヒロインを演じた2021年放送の『おかえりモネ』(NHK総合)では、震災でトラウマを抱える主人公・永浦百音を演じ、笑顔の裏に1人で抱え込む影を常に感じさせた。こうした役を通して、主人公の内省的な感情を自然に見せてきた。
また、民放ドラマ初主演となった『ファイトソング』(TBS系)での木皿花枝役では、NHKドラマとは違い無邪気な演技を見せる。「口にしたら嫌な現実がもっと本当になっちゃう気がして」。花枝のセリフの通り、何でもないようなことが幸せだとより思わせることで、怖さが抑えきれないように涙するシーンに視聴者は感情移入した。
清原は、セリフを単にリズムよく出すのではなく、会話の中で生まれてくるような自然なやり取りができる人。だからこそセリフでは伝わらない感情を視聴者に想像させることができる。それは単に演技力だけでなく、例えば『なつぞら』では、役と同じ気持ちでいられるように、あえて幼少期のシーン以外を見ずに、兄姉の表情やどういう生き方をしてきたのか知らないまま撮影に挑むことを自ら提案したという。(※1)そうした、ストイックな役作りが自然な演技に繋がっている。