松坂慶子主演NHKドラマ『一橋桐子の犯罪日記』10月放送開始 脚本はふじきみつ彦が担当

 10月期のNHK土曜ドラマが松坂慶子主演の『一橋桐子の犯罪日記』に決定した。

 本作は、作家・原田ひ香の『一橋桐子(76)の犯罪日記』を、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』を手掛けた脚本家・ふじきみつ彦が脚色した“終活青春グラフィティ”。

 主人公・一橋桐子は、年金とバイト暮らしの生活も楽ではない中、唯一の希望であった親友が病で亡くなり、哀しみの淵に立っていた。そんな時にテレビで見た、ある逮捕者の供述「楽になるため刑務所に入りたかった」。その一言に心奪われた桐子は、終の住みかを“刑務所”へと設定。「できるだけ人に迷惑をかけずに捕まる道」を模索し始めるのだった。

 主人公・桐子を演じる松坂は、「観て頂いた方に『人生って楽しく生きられるのかもな』って、そんな風に思って頂けたらうれしいです」とメッセージを送っている。

コメント

松坂慶子(一橋桐子役)

最初にタイトルを聞いたとき、「犯罪日記」というとちょっと怖い物語なのかしら?と思ったのですが、台本を読ませて頂いたら、とっても面白くて。
主人公の桐子さんは、一橋桐子というお名前のとおり本当に素敵な方。天涯孤独な70代なんだけれども、日々の生活を慈しみながら暮らしていて、草木などから季節を感じたり、自分の気持ちを俳句にしたためたりする。そんな素敵な桐子さんが、親友が亡くなったことで心が弱ってしまい、ひょんなことから刑務所に行きたいとまで思うように……本当に切ないことですし、どうすれば救われるのか。難しい問題ですが、ドラマを通して向き合いながら過ごしている最中です。

桐子さんは刑務所に行こうとすることで、今までになかった新しい経験、そして面白い人達に出会うんですね。私のお仕事も、作品ごとに新しい土地に行って、新しい人と出会い、そして終わる頃には、自分の中の幅が少し広がっていたりと、まるで旅のように感じることがあるんです。だから、桐子さんを分身のように感じるところもあって、自分の中にある体験の箱をあけながら、日々演じております。私も万葉集を趣味にしていたりするので、そんなところも共通点があってうれしいです。

一人じゃ何もできないと思っていた桐子さんが、様々な人と出会って、新たな扉を次々と開いていく。人間って面白いなと思えるドラマです。そして、観て頂いた方に「人生って楽しく生きられるのかもな」って、そんな風に思って頂けたらうれしいです。

ふじきみつ彦(脚本)

犯罪日記かぁ、犯罪モノかぁ……
事件が起きたり人が殺されたり憎しみあったり、だけど憎しみは決して何も生まなかったり……、そういう話を書くのは得意じゃないので困ったなぁと思いつつ原作を読んでみたら、そこに描かれていたのは健気でかわいらしい一橋桐子という女性の物語でした。

これは一橋桐子の青春日記だ、そう思って脚本を書きました。

パッとしなかった桐子の人生が犯罪に関わることで妙に輝いていく可笑しさを楽しんで頂けたら嬉しいです。

■放送情報
土曜ドラマ『一橋桐子の犯罪日記』
NHK総合にて、10月より毎週土曜22:00~22:49放送(全5話)
出演:松坂慶子ほか
原作:原田ひ香『一橋桐子(76)の犯罪日記』
脚本:ふじきみつ彦
音楽:長谷川智樹
制作統括:高橋練(NHKエンタープライズ)、清水拓哉(NHK)
プロデューサー:宇佐川隆史(NHKエンタープライズ)
演出:笠浦友愛、黛りんたろう、加地源一郎
写真提供=NHK

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