『こちらあみ子』井浦新撮影のオフショット公開 今泉力哉、尾崎世界観ら著名人コメントも

 7月8日公開の映画『こちらあみ子』のオフショットと著名人コメントが公開された。

 『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞した今村夏子のデビュー作を実写映画化した本作の主人公は、風変わりな女の子・あみ子。優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、 書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、 憧れの同級生のり君。たくさんの人に見守られながら生きるあみ子だが、純粋で素直なあみ子の行動は周囲の人たちを困らせることに。奇妙で滑稽、でもどこか愛おしい人間たちのありさまを生き生きと描く。

 あみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜。あみ子の両親、いつも家族を見守る“父”役を井浦新、書道教室の先生で、お腹には赤ちゃんがいる“母”役を尾野真千子が演じる。

 監督・脚本を務めるのは、主に大森立嗣監督らの現場で助監督を務めた森井勇佑。自身が映画化を熱望していたこの作品で監督デビューを果たす。

 公開された写真は、井浦が現場で撮影したスフショット10枚。個展を開催するなど写真家としての顔も持つ井浦が、本作の撮影中、スケジュールの都合でカメラマンが来られなかった数日間、スチールカメラマンとして自身のカメラで現場での撮影を敢行。また、これらの井浦が撮影したスチールは、7月3日より東京・池袋のジュンク堂書店、7月5日より広島のエディオン蔦屋家電で開催のパネル展にてそれぞれ掲出される。

 また、今泉力哉、尾崎世界観、清川あさみ、國松絵梨、駒井蓮、長井短、奈良美智、冬野梅子、山本奈衣瑠ら各界著名人からの応援コメントも寄せられた。

コメント

今泉力哉(映画監督)

あみ子は何も悪くないのにな。とある秘密にまつわるシーン、虫や生き物との戯れ、ちょっとやそっとではなかなか撮れない時間や空気をたくさん取り込んだ愉快で寂しい映画でした。応答せよ! 応答せよ!

尾崎世界観(ミュージシャン)

光みたいなあみ子に向ける自分のまなざしの汚れが酷く気になった。 ただただ良いと思う映画と、良いけれど観ていて無性に悔しくなる映画がある。この作品は完全に後者だ。

清川あさみ(アーティスト)

誰にも分からない、あみ子だけの世界がある。"現実"という、冷たい水の水面を真っ直ぐ切り開いて力強く突き進む彼女にも優しい光があたるそんな世の中でありますように。

國松絵梨(詩人)

知りたくて、わかりたくて投げかけた問いに対して、みんなが静かに黙ってしまうのが何故なのか、わからないままでいた。何で忘れてしまっていたんだろう。よく見える、よく聞こえる、確かにそうだった時がある。もう何もかもがわかるようになってしまった私たちに、あの頃と同じ強さの光が降っていること、同じくらいたくさんの音が鳴っていることを、もう一度、思い出させてくれる。

駒井蓮(俳優)

私たちが何処かに置いてきてしまった世界の手触りを、あみ子は全身で掴んでぐしゃぐしゃにしてポイッと投げて、心の向く方へ叫び、好きなように戯れる。そんなあみ子の姿が、日常で得ようとする共感やズレることへの恐ろしさこそ、見たいものを見えなくしてしまっているのだと言っているようで、胸がずきずきした。目の前のでこぼこ、お兄ちゃんのハゲ、机の脚の冷たい触感、お母さんの黒子。世界が世界のまま、自分の心に届けばいいと、願う。

長井短(俳優)

『こちらあみ子』を読んだ日から、私の中にはあみ子がいて、きつい眼差しで私を観察し続けている。その眼差しが本当にそのまま画面に写っていて、頭の中がまんま再現されてるはずなのに、いざ相対しても結局あみ子のことは全然わからないまま。それがとにかく嬉しかった。ねぇあみ子、頼むよあみ子と思うけれど、頼まれてくれないところがむしろ頼もしくって、きっと私は、あみ子に憧れているのだ。どこに?って、そりゃ、わたしだけのひみつじゃ。

奈良美智(美術家)

あみ子を、子供たちを、僕は確かに知っていた。映画が終わり、闇の中から歌声が流れ始める時、子供たちの顔が浮かんでは歌の波間に消えていく。そして、大きな世界はゆっくりと開かれていくのだ、彼らのために、かつての僕らのために。

冬野梅子(漫画家)

あみ子はうざい。でもあみ子をうざがることに罪悪感がある。だから遠ざけたくなる。さらに女の子だから、今後は清潔・朗らか・気配りも期待されるかもしれない。仮にそうした教育を徹底したら…社会に馴染めるかもしれないが、それは幸せなんだろうか。ずっと考えてしまう。

山本奈衣瑠(モデル・俳優)

あみ子、あみ子。 あみ子と友達だったら 一緒にインド人するし、 側転のやり方教えてもらう。 大好きで何度も原作を読んでいたけど あの本の中のあみ子がちゃんとスクリーンの中にいた。 会えた事がとても嬉しかった。 あみ子のことを好きと思うことは自分の中のあみ子を肯定したいからかもしれないけど。あみ子。

■公開情報
『こちらあみ子』
7月8日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:大沢一菜、井浦新、尾野真千子
監督:森井勇佑
原作:今村夏子
音楽:青葉市子 
製作:ハーベストフィルム、エイゾーラボ
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:https://kochira-amiko.com

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