『悪女(わる)』が教えてくれた“上を目指す楽しさ” 今田美桜、江口のりこらがくれた希望

 これまで、『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系/以下『悪女(わる)』)は、女性の生きづらさにスポットを当ててきた。ジェンダー差別が残る日本社会で、女性が活躍するために必要なものは何なのか。“出世欲”を持つ麻理鈴(今田美桜)とともに、考え抜いた3カ月間。筆者のなかでも、「一生懸命働くのって、カッコいい!」と前向きな気持ちが芽生えてきた。

 その一方で、男女平等のむずかしさを改めて感じた日々でもあった。どちらかが権利を主張すると、シーソーのように片方が沈んでしまう。峰岸(江口のりこ)が企画したJK5(=女性の管理職五割計画)もそうだ。オウミで輝く女性を増やすために、育休や産休を推奨し、ワーキングマザーに対する手厚いケアを行う。出世を目指す女性にとっては、うれしい計画なことに間違いはない。しかし、そのしわ寄せは男性社員に降りかかる。「子どものお迎えがあるから……」と言って帰っていく女性社員を見送りながら、山積みになっている業務をこなすしかないのだ。

 女性の昇進を阻む“ガラスの天井”に対し、仕事のできる人、一家の大黒柱といった役割に縛られる男たちの苦しさには、“ガラスの地下室”という名前がついている。飄々として見えるT・Oさん(向井理)も、「男は、悩みを人に話すのが苦手だ。弱みを見せるみたいだし、話したところで、解決にはならないと話す前から諦めてしまうから」と男ならではの葛藤を抱いていた。「男は/女はいいよな」と思ってしまいがちだが、男には男のしんどさがあり、女には女のしんどさがある。まずは、お互いのつらさに“気付く”こと。それが結果的に、ジェンダー差別の緩和につながっていく。

 女性を輝かせることだけに視線を向けていた峰岸も、考えを改めることができた。社内での立場が弱い女性だけを守るのではなく、男女問わず生きやすいオウミに改革する。「子どもがいる社員の時短勤務のしわ寄せが、男性や独身の女性に回って不公平になるくらいなら、いっそ全員時短勤務にしたらいい」。あまりにも無謀な宣言ではあるが、「何も変わらないって、諦めるのはラクです。でも、信じましょうよ」と胸を張る峰岸と、その姿を誇らしそうに見つめる麻理鈴がいたら、本当にオウミを変えることができるかもしれないと思えてくる。

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