菅田将暉と柄本佑の一触即発のスリリングな緊張感 『ミステリと言う勿れ』珠玉の会話劇

 文学作品や言葉を巧みに利用したトリックが光る『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の第4話。整(菅田将暉)と三船(柄本佑)の珠玉の会話劇が雨の公園に小気味よく響いていたものの、そこにはとんでもない結末が隠されていた。

 暗号を使った犯行予告が届いたことで、風呂光(伊藤沙莉)は整にアドバイスをもらおうと連絡をとる。ここで整は2件の予告に「文学作品」と「作家」にまつわる共通点があることを見つけだした。しかしその後、整は偶然通りかかった公園で件の爆弾魔と出会ってしまう。はじめは正体も分らぬまま「山賊の歌」に惹かれあう2人だが、話をするうちにその男・三船は記憶喪失になって爆弾を仕掛けた場所すら忘れてしまったことが明らかに。整は男との会話の中から爆弾の置き場所を、そして犯行の動機を探り当てるのであった。

 第4話は柄本佑の怪演が光る回となった。ほとんどは公園のベンチに座って雨宿りをしたまま、菅田将暉と言葉のキャッチボールを楽しむような芝居を繰り広げる。だが淡々と進む会話の中には、後に明らかになる秘密のキーワードが無数に散りばめられていた。そして会話劇の最後にはそれらの全てが回収され、事件があざやかに解決へと導かれることでスッと胸のつかえが取れる。菅田の表現するチャーミングさを持ち合わせた整と、柄本が生み出した“狂気”の眼を持つ三船が、まさに一触即発のスリリングな緊張感の中で融合する芝居に唸らせられる。

 三船の抱えていた苦しみや憎しみさえ、整はそっと受け止める。美しく、時に恐ろしく、実は暖かい2人の関係に魅了されているうちに、あれよあれよと爆弾は回収されていくのであった。

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