生見愛瑠&岡田結実、恋のライバル(?)役で新境地 バラエティでも輝くマルチな才能
いつの時代も、恋愛ドラマにはヒロインの恋のライバル役がつきもの。近年でいえば、『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)で田中みな実が怪演した強烈キャラ・礼香や、ヒロインのライバル役でありながら応援せずにはいられない魅力を持っていた『この恋あたためますか』(TBS系)の石橋静河演じる里保、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)で倉科カナ演じる才色兼備で誰からも愛される最強のいい女・理緒などが記憶に残っている。
彼女たちは些細な言動でヒロインや恋のお相手に揺さぶりをかけ、視聴者をハラハラさせる物語の“スパイス”として必要不可欠な存在だ。時には礼香のスピンオフドラマが制作されたように、その中毒的な魅力で一定数のファンを獲得することも。そして今は、生見愛瑠、岡田結実という令和のバラエティ女王たちが恋のライバル(?)役で注目を浴びている。
“めるる”こと、生見愛瑠は12月15日に最終回を迎える『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系/以下『恋です!』)に出演中。勝ち気だけど恋には臆病な盲学校生のユキコ(杉咲花)と、喧嘩っ早いけど純粋な不良少年・森生(杉野遥亮)の恋愛模様を描いた本作の中で、生見は森生に想いを寄せる元同級生・ハチ子を演じている。
首にヘッドフォンをかけ、ポップなアイテムに身を包んだハチ子。パッと見は普段の元気なめるるという印象だったが、すぐにそのクールな表情と太々しい態度に度肝を抜かれた。バラエティで獲得した天然な愛されキャラを一切封印し、弱視のユキコにとって「生きるための道具」である白杖を無理やり奪ったり心無い言葉をかけたりと、ヒール役に徹する姿に驚いた人も多いのではないだろうか。今年の3月に『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ)で俳優デビューを果たしたばかりの生見だが、自己中心的な行動の裏にハチ子の心の闇を匂わせる確かな演技力が光る。
特に第5話でユキコへの嫉妬をあらわにするシーンでは、震える声や目に涙をいっぱい溜めた表情から、彼女自身の生きづらさや森生へのどうしようもなく苦しい恋心が痛いほど伝わり胸を打たれた。最終回では、そんな彼女に恋心を抱く花男(戸塚純貴)との関係性も見どころだ。
番組出演本数の増加数を基にしたランキング「2021年上半期ブレイクタレント」(ニホンモニター調べ)で8位、11社のCM演で「2021年テレビCM急上昇ランキング」(エム・データ調べ)で見事1位に輝き、ファッション誌『CanCam』(小学館)の専属モデルに抜擢されるなど、大躍進を続ける生見。ここで俳優としても頭角を現し、さらなるブレイクが期待される。