『カムカムエヴリバディ』早くも気になる「るい編」 深津絵里はどんな2代目ヒロインに?

 11月1日にスタートしたNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。本作は「NHKのラジオ英語講座」を題材に、上白石萌音、川栄李奈とともに“朝ドラ”史上初の3人のヒロインが、昭和、平成、令和の3世代を紡ぐ100年の家族の物語。第1週では上白石萌音がヒロインとしてすでに活躍しているだけに、早くも今後のヒロインの活躍も期待してしまう。

 特に気になるのは、最近はドラマや映画への露出も減っていた深津絵里だ。1986年に芸能界デビューしてから今年で芸能生活35周年を迎えた深津。2010年以降は出演作品が厳選され、テレビドラマは、2011年の『ステキな隠し撮り~完全無欠のコンシェルジュ』(フジテレビ系)以降、2020年の『最後のオンナ』(テレビ東京系)まで主な出演作はなく、今も『踊る大捜査線』(フジテレビ系)の恩田すみれ役のイメージで止まっている人も多いかも知れない。

 近年の作品の多くには、夫に深い愛情を持った妻役という共通項がある。2015年の映画『岸辺の旅』では、3年前に失踪した夫(浅野忠信)が幽霊になって戻ってくるのを淡々と受け入れる妻、2016年の映画『長い言い訳』では、逆に突然バスの事故で亡くなった妻を演じ、死の直前にバスの中で見せた儚い表情、遺影や思い出にある海辺での妻の笑顔など、深津の一瞬の表情を見る度に、彼女は幸せだったのか、彼女の人生はなんだったのかと、夫(本木雅弘)と同じような目線で考えてしまうほど、深津の存在感が光っていた。一方で、2017年の映画『サバイバルファミリー』では、普段は亭主関白でごく普通の専業主婦が、いざ非常事態となるとダメダメな夫(小日向文世)に代わって危機に直面する度に主婦の底力を見せていく。若い頃から演じているカラっとした性格の役柄が、苦しい状況でも明るく自然な振る舞いを見せる母親役にハマっており、今回の『カムカムエヴリバディ』のような作風にもマッチする予感を早くも見せていたと言える。

 さて、『カムカムエヴリバディ』第1週では、「1925-1939」というタイトルで、日本でラジオ放送が始まった大正14年3月22日に生まれた安子とラジオの実用英語講座、そして雉真稔(松村北斗)との出会いが描かれた。

 上白石が自身のパーソナリティにぴったりの健気な安子役を演じ、同級生の雉真勇(村上虹郎)の兄・稔との淡い青春を通して英語に興味を持つきっかけが明らかになった第1週。ラジオ、英語、ジャズ喫茶、大阪というこれから重要になるキーワードが散りばめられていた。しかし、ここから徐々に戦争へ向けて過酷な時代に突入する。

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