『おかえりモネ』内田と明日美に恋の予感!? 凹凸が合致した面白い縁
連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)で、百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)以外にも、何やら恋の予感をやんわりと漂わせている2人がいる。
気象予報士の内田(清水尋也)と明日美(恒松祐里)だ。汐見湯で初対面を果たした際にも、内田が高校生の頃モデルをやっていたことを知り、アパレルショップ店員でオシャレ好き、かつミーハーなところもある明日美は彼に早速興味を示し連絡先を交換していた。
そんな2人が周囲も気づかぬうちにいつの間にか急接近していたようだ。内田と明日美は2人で買い物に出かけたりする仲。それもすでに何度か一緒に出かけていそうな雰囲気で、内田のことを明日美は名前の衛をもじった“マモちゃん”と呼び、かなり仲睦まじい様子が伝わってくる。
物心ついた時から亮(永瀬廉)に叶わぬ片想いを続けながら、もはやそれを自分の“キャラ”のひとつにまで昇華させていた強者の明日美を思うと、一見したところ内田とのこの展開は意外に思えるかもしれない。
ただ、明日美の場合、彼女の勢いやペースに気持ちよく巻き込まれてくれつつ、それでも自分を見失ってしまわぬようなマイペースさをどこかに持ち合わせている相手の方がバランスが良くお似合いだと思える。そう考えると、内田は明日美にとってピッタリの相手に思えてくる。人目を気にせずマイワールド全開。自分軸がしっかりとあるが、決してそれを他人に押し付けたりしない。そして、周囲のことも良い意味で気にしていない。通常であれば一見派手で強引に見られがちな明日美と自分はタイプが違うと尻込みしたり、線引きしてしまう者も一定数いるのではないかと思うが、内田にはそもそも人をカテゴライズする意識自体がなさそうだ。
そこが彼の何よりの魅力ではないだろうか。気象予報士試験に一発合格した秀才で、何事も器用にこなしながらも、他人を圧倒し萎縮させてしまうような高慢さや気難しさが皆無どころか、どこか抜けていてツッコミどころがある。本人は意図していないのだろうがクスッと笑わせてくれる内田は、明日美からしても取っ付きやすく気楽で飽きない存在だろう。また、明日美も明日美で、他人との間に線引きをしないタイプだ。相手によって自分の熱量や勢いを変えたり、調節したりすることはない。基本的に誰に対しても同じテンションで接し、変な遠慮がないところが“彼女らしさ”で、内田と明日美はちょうど凹凸がピッタリと一致する者同士かもしれない。通常であれば触れるのを躊躇してしまいそうな部分にも遠慮なしに突っ込み、相手のテリトリー内に踏み込んでいく明日美が、なんだかんだ許されてしまうのは、相手のともすれば“弱点”にもなりかねない取っ付きにくい部分や違いを純粋に面白がれる性質も一緒に持ち合わせているからだろう。
そして、内田にとっての専門分野である「風」のように、明日美にとってはファッションや着飾ることが自分の“好きなもの”“興味があること”として明確にあり、そこに向けて迷いなくまっしぐらなところも2人の共通点として挙げられる。