羽住英一郎監督×小林裕幸プロデューサー インタビュー
『インフィニット ダークネス』は『バイオ』シリーズの新境地に 監督&Pに聞く製作の裏側
“ワクワク感”が続いていく『バイオハザード』
ーーこれまでの『バイオハザード』は、長編CGアニメーションや映画として作られてきましたが、今回初めて連続CGドラマという形で展開されていますね。
小林:ちょうど3本目の3DCG映画である『ヴェンデッタ』を作り終えて、次回作はまたトムス・エンタテインメント、Quebicoさんとやろうという話になったときに、「形を変えよう」となりました。そして連続CGドラマを一緒にやるということで、NetflixさんからもOKをいただいて今回形になったのが、作り手側の変更、狙いですかね。僕もテレビドラマや、アニメが好きなので「次、どうなるんだろう」という1話ごとの展開や話数のワクワク感を『バイオハザード』で楽しんでもらいたかったんです。そこは監督との脚本作りの中で「第1話の終わりはこう、第2話の終わりはこうしましょう」と話し合って、次が楽しみになるような終わり方を作れたかなと思います。
ーー監督は連続CGドラマという作り方において意識した点はありましたか?
羽住:実際にプラットフォームであるNetflixさんでは多くの人は一気に観ると思うので、そういう意味では2時間の映画を作るのとそんなに変わりませんでした。ただ、話数によって舞台やステージを変える意識はしました。第1話はホワイトハウス、第2話は潜水艦と、その話数の持つカラーをしっかり出せればと。そして繰り返し観たときに、新しいものが発見できるようすることを大事にしましたね。
ーーNetflixとタッグを組んだ感想は?
小林:僕自身はNetflixオリジナルアニメシリーズ『ドラゴンズドグマ』をやらせていただいているので、Netflixさんとのお仕事は今回で2回目ですが、やはり全世界同時に最新作が観られるっていうのは、なかなか魅力的な配信スタイルだと思っています。映画だと時差があって、どうしても国ごとに公開日がズレてしまうこともあります。そういう意味では、同時に世界中の人が楽しめるっていうのは、凄く良いですよね。『バイオハザード』として、そこに初挑戦できるのは楽しみです。
羽住:クリエイティブ面で自由度が高いと感じました。日本でもNetflixオリジナル作品の製作が増えていますが、世界配信とはいえやはり日本向けに作られたものが多いと思うんです。なので、世界中にファンがいる『バイオハザード』のような、本当に世界中に同時に配信する意味のあるものを、日本で作れる事にすごくやりがいを感じました。
ーー今後の映画・ドラマの制作と、Netflixのような配信サービスとの未来についてはどう考えますか?
羽住:とにかく、いっぱい観てもらえる場所が増えるのはいいことだと思います。劇場も変わらず運営できる程度に発展してもらえるといいですね。これに関しては難しい問題ですが、いろんな形で観られること自体は素晴らしいと思っています。マッチする作品との出会いも含めて、Netflixならではのベストな見せ方だと思うので、今後もいちユーザーとして様々な作品が観られることを楽しみにしています。
■配信情報
Netflixオリジナルアニメシリーズ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』
Netflixにて独占配信中
原作・製作・監修:株式会社カプコン
監督:羽住英一郎
脚本:武藤将吾、羽住英一郎
エグゼクティブプロデューサー:小林裕幸(カプコン)
製作プロデューサー:篠原宏康(トムス・エンタテインメント)
プロデューサー:古屋厚(ROBOT)
CGプロデューサー:宮本佳(Quebico)
フル3DCGアニメーション制作:Quebico
制作プロデュース:トムス・エンタテインメント
クリエイティブアドバイザー:トニー石塚(Sony Pictures Entertainment)
音楽:菅野祐悟
日本語吹替キャスト:森川智之、甲斐田裕子、立木文彦、潘めぐみ、野島健児、井上和彦、田原アルノ、小形満
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