三浦翔平、『M』に続き『あのキス』でも“狂気”の怪演 松坂桃李と相性抜群のぶつかり合い

 “田中マサオ”という男の中に巴(麻生久美子)の魂が入っていること、ひいては蟹釜ジョーが生きていると確信した高見沢(三浦翔平)。1年間、夫として公私ともに巴を支え、離婚後も良き仕事のパートナーだった高見沢は、桃地(松坂桃李)の元にいたオジ巴(井浦新)を彼女の自宅に連れ帰ってしまう。『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系)第5話では、相反する男2人のオジ巴を巡った恋のバトルが勃発した。

 愛し合って結婚したはずなのに、すれ違いが重なり真正面からぶつかることもできなくなる。マサオと妻・帆奈美(MEGUMI)がそうだったように、唯一無二の夫婦だった巴と高見沢も同じ理由から結婚生活に終止符を打った。初登場シーンでは、そんな過去を清算し、一編集者として巴に接していたように見えた高見沢。しかし、ある意味、二度も巴を失ったことで高見沢の思いは溢れて止まらない。とことんオジ巴を甘やかし、性別も含め以前とは大きく異なるビジュアルに戸惑いを見せることもなく、まるで彼氏のように振る舞う。こやつ、やりおる……あの従順な桃地でさえ、最初は受け入れられなかったというのに。

 一方、そんな桃地は高見沢と巴が元夫婦だったという事実に困惑する。スーパーゆめはなでも、嫌味なエグゼクティブ真二(六角慎司)が思わず優しさを見せるほどの奇声をあげ、休憩室では桃地の恋愛相談会がお馴染みに。

「“あのとき”もっと抵抗してれば良かったんですよ。暴れて、大声出して、やめろ離せ……ああ~もうなんでだよお」

 後悔、嫉妬、もんもんプンプン……人付き合いが苦手で『SEIKAの空』を読むことが唯一の楽しみだった以前の桃地には考えられない七色感情が渦巻く。再びハウスキーパーとして巴の自宅に出入りし始めた桃地を高見沢は牽制するが、そんな彼に啖呵を切れるほど桃地の心には巴と出会ったことで“革命”が起きていた。

 それは巴も同じ。高見沢との完璧なデートも、高級料理店も、桃地がプランしたぎこちないデートや、一緒に食べる庶民的なもやし炒めには叶わない。桃地の人をほっとさせるおかゆのような優しさが、「週刊少年マキシマム」を代表する大ヒット漫画家・蟹釜ジョーをただ一人の女の子に戻していく。巴は高見沢のことを編集者として尊敬しているが、きっとそこに恋愛感情はもうないのだろう。

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